TOPPANホールディングス株式会社は1月31日、英国で日本文化の発信イベント「HYPER JAPAN」を運営するCross Media Ltd.の株式譲渡契約を締結。2月29日に連結子会社化を完了した。

 Cross Media社は英国で最大級の日本文化発信イベント「HYPER JAPAN」を運営し、日本のアニメやマンガ等のコンテンツ領域をはじめ、日本酒や日本食等、日本文化全般を発信し、英国のファンを獲得している。

今回TOPPANグループは、Cross Media社に出資し筆頭株主となることで、英国を起点に欧州における日本コンテンツの海外展開および日本文化の更なる浸透を推進する。

近年、コロナ禍における巣ごもり需要や、OTT(Over The Top：インターネット回線を通じてコンテンツを配信するストリーミングサービス)の成長もあって、日本発のコンテンツ、特にアニメ市場が拡大しており、欧州全体では2023年に48億ドル、2030年には90億ドルまで拡大が見込まれている。

中でも英国は欧州最大のコンテンツ市場規模を持ち、Z世代の間でアニメファン層が拡大している（出典：GRAND VIEW RESERCH「Europe Anime Merchandising MARKET ANALYSIS AND SEGMENT FORECASTS TO 2030」）。

米国においては日本のコンテンツホルダー各社の現地法人設立が進み、中国、インド等への進出も拡大しているにも関わらず、欧州においてはOTTによる日本文化コンテンツの需要の高まりに反して特に英国においてはサプライチェーンの整備が進んでいないという課題があった。

  今回TOPPANグループは、英国において最大規模の日本文化の発信イベントを長年運営し、日本文化、日本コンテンツの浸透に貢献してきたCross Media社を買収することで、日本企業・自治体などコンテンツホルダーに向け、関連商品の開発・製造に加え、グローバル展開、特に英国でのIP(知的財産)管理や物販の支援が可能になる。

  また、TOPPANグループの強みであるメタバースによるバーチャル領域での深耕も展開し、リアル・バーチャル領域で日本文化・IPコンテンツの海外展開を推進。あわせて、Cross Media社が持つPR機能を拡充し、日本企業・自治体の英国におけるPR展開を支援する。