TOPPANホールディングス 電通グループとWeb3.0ウォレットにフォトリアルアバターをUIとして適用する世界初の実証実験開始

TOPPANホールディングス株式会社と株式会社電通グループは2023年12月11日より、株式会社ODKソリューションズ、ソニー株式会社を始めとする企業・大学と共同で、Web3.0ウォレット(デジタル資産を保管する財布のような機能)に、保有者それぞれの外見や話し方を精巧に再現したフォトリアルアバターを対話型のUI(ユーザーインタフェース)として適用する実証実験を開始する。さらに、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)の保有状況に基づいて権利行使が可能なインセンティブを自動抽出し、ウォレット保有者に自然言語による対話でインセンティブ利用に関する案内も実施する。

フォトリアルアバターをUIとして適用したWeb3.0ウォレットのイメージ

本実証実験は、無機物であるデジタル資産保管機能であるウォレットに対し、限りなく人間に近い身体性を与え,対話型のUIによって情報のやり取りを可能にする世界初の事例になる。

今回の実験の背景には、Cookieと類似の情報である個人の興味・関心やアイデンティティ情報をデジタル化したNFTを活用する技術や、生活者自身が個人情報を所有し、自分の意思で活用可能になるWeb3.0ウォレットのニーズは高まり続けていることがある。分散型の個人情報管理技術の発展の中で、企業は自社での個人情報の管理が不要になるとともに、生活者の許諾取得と個人情報を保護した上でのマーケティング活動の推進が可能になる。

一方、生活者の観点では、Web3.0ウォレットにNFTとして蓄積された学習履歴やボランティア実績など生活者の日々の活動情報を全て記憶し、必要に応じてNFTに紐づけされ、付与される様々なインセンティブが膨大な情報となり、生活者にとって有益なインセンティブを検索し,選択し,要求する労力が課題となっていた。

このような課題に対し、電通グループとTOPPANホールディングスは、これまで電通グループがODKソリューションズらと近畿大学の学生を対象に取り組んできた「アプデミーⓇ」の実証実験の対象範囲を拡大するとともに、TOPPANホールディングスがこれまで培ってきたフォトリアルアバターとUIに関する技術を活用し、Web3.0ウォレットの利便性向上の実証実験を開始します。学生本人の代わりに当人そっくりなフォトリアルアバターが、NFTの保有状況を把握したうえで必要に応じてインセンティブ権利を行使・提示するなど、「人生の伴走者」として学生を中長期的に支援するアバターUI市場の可能性と技術的な進展について検証する。

今後TOPPANホールディングスと電通グループは、共同研究各社と共同で、実証実験結果を基に、ブロックチェーン上での展開時の手続きの標準化に取り組む。また、各所においてユースケースとしての提案や検証結果を公開する予定。

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