石灰石をを主原料とする新素材『LIMEX（ライメックス）』で知られる株式会社TBMは、11月11日、世界初のリサイクルプラント「横須賀工場」を竣工した。これに伴い、同日、午後５時から、関係者らを招いて「株式会社TBM横須賀工場竣工記念式典」が行われた。来賓として、『横須賀市ゼロカーボンシティ』を宣言している神奈川県横須賀市の上地 克明市長や横須賀市議会の大野忠之議長らもかけつけた。
新工場は、回収した使用済みのLIMEXと廃プラスチックを自動選別・再生する工場で、処理能力は年間約４万トン、再生ペレット生産量は年間で約２万4,000トンという国内のプラスチックリサイクルで最大規模の工場となる。

式典では、まずTBMのプラント事業部・杉山 琢哉 部長が新工場について解説した。杉山部長は、世界がカーボンニュートラルへと意識がシフトしていること、廃プラスチックのうち約７割が焼却されているといった社会課題が残されていることなどを解説し、TBMがLIMEXによる資源循環およびプラスチックのマテリアルリサイクル促進を掲げ、エコロジーとエコノミーを両立する循環型ビジネスを目指していること等を紹介した。
来賓祝辞では上地市長および大野議長が挨拶し、横須賀市からマテリアルリサイクルの一つのモデルとして全国へ発信していくこを期待していると述べた。
最後に、主催者挨拶で登壇したTBMの山﨑 敦義CEOは、新工場竣工までの道のりや、新工場の社会的意義、そして未来に向けて「これからも皆さんに期待される企業として進んでいきたい」と力強く挨拶した。
続いて来賓らと共にテープカットを行い、新工場の開幕を祝った。式典の後には、参加者による工場見学も行われ、大規模な自動選別ラインをはじめとする施設を見学した。

横須賀工場の処理能力は年間約４万トン。さらに、年間約２万4,000トンの再生ペレット生産能力を持つ。LIMEXと汎用プラスチックを自動選別・再生利用する世界発のプラントでもあり、プラスチックのリサイクルプラントとしては国内最大級となる。
特に、家庭由来の容器包装プラスチックと製品プラスチックの一括回収が可能で、再生に先駆的に着手していく。これまで焼却処理されてきた雑多な事業系の廃プラスチックも再生できる先進的な工場となっている。

プラスチック・紙製品の代替品としての採用は8,000以上
TBMは、これまで石灰石を主原料とする環境配慮型の新素材「LIMEX」およびLIMEX製品の開発・製造・販売に取り組んできた。LIMEX製品は、すでにレジ袋や文房具、食品容器などのプラスチック代替製品や冊子やポスターなど印刷物の紙代替製品の用途として、8,000以上の企業や自治体で採用されている。
同社はLIMEX製品の普及を進める一方、廃プラスチックの自国処理が大きな社会課題として顕在化する中で、クローズドループによるLIMEX製品のリサイクル、再生材料を50％以上含む素材「CirculeX（サーキュレックス）」の販売・製品開発、従業員参加型の資源循環コーディネートサービス「MaaR for Business（マール・フォー・ビジネス）」の事業を通じて、資源循環の推進に取り組んでいる。
2022年４月に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律（プラ新法）」において、LIMEXはプラスチック使用製品に該当しており、これまで家庭から排出される「プラスチック資源」から、LIMEXと汎用プラスチックを選り分け、精度の高いリサイクルシステムを構築する仕組みづくりも進めてきた。
今回の横須賀工場竣工により、同工場の自動選別技術を活かし、横須賀市と連携することで、2023年中の市内全域での容器包装プラスチックと製品プラスチックの一括回収と、LIMEX製品の普及および拠点回収品目化に向けた取り組みを推進していく。これにより、資源循環による脱炭素社会の実現に向けて、先駆的な資源循環モデルの国内外での展開を目指す。