RMGT ともに創る印刷の未来工場~全体のスマートファクトリー化からSDGsのアシストまで
リョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社は、印刷オペレーターの負担を軽減する自動化やIoT、ロボット活用などを提案しています。同時に印刷稼働状況の可視化を促進し、生産工場への改善案につながる客観的な裏付けや分析に必要となる数値などを把握できるソリューションも提供しています。また、RMGTコンソーシアム(RMGT-CSPI)により、オフセット印刷機を保有されている印刷会社様の工場全体のスマートファクトリー化やSDGs達成をパートナー企業とともにアシストしています。
近年の印刷現場では、人材の確保が難しく、短納期化や品質管理への対応、更には各種コストの高騰により、無駄を削減した生産性の向上が喫緊の課題となっており、印刷機にはスキルの平準化を後押しする自動印刷機能が求められています。このような状況の中RMGTでは、印刷オペレーターの負担軽減を実現する自動印刷、IoTを活用した生産状況の見える化、自動搬送ロボット(AGV)による印刷用紙や印刷物の搬送作業の自動化など、印刷オペレーションの自動化・省力化に寄与する開発に取り組んでいます。
印刷オペレーターの負担を低減する自動運転機能
新開発の「スマートアシストプリンティング」は、画面のワンタッチ操作でインキプリセットからブランケット洗浄、版交換、テスト刷り、見当合わせ、濃度調整、本刷りまで、複数ジョブの連続印刷を自動で行える機能です。インキプリセット、ブランケット洗浄、刷版交換の工程が終了すると自動で給紙が始まり、テスト刷りへと移行します。
テスト刷りでは、印刷機上のCCDカメラで印刷中の用紙を撮像し、インラインで印刷物の品質管理が行える印刷品質管理システムPQS-Dと連動。用紙を抜き取らずに見当と濃度を合わせ、見当と濃度が本刷りの基準値に入れば本刷り印刷が始まります。本刷り印刷中も、PQS-Dにより印刷中の品質検査を行うとともに、濃度の自動調整と見当状態の監視をします。
最初のジョブの本刷りが終了すると次のジョブに移る連続印刷サイクルを繰り返します。用紙の抜き取りによるメイクレディの作業を印刷機に任せることで、1ジョブあたり約4分※1の時間短縮が行え、小ロット連続印刷の生産性向上とオペレーターのスキルレス化を実現しました。
※1 社内スタッフにより効果測定した数値です。オペレーターの熟練度や印刷条件によって数値は異なります。
印刷会社様の将来を見据えたスマートファクトリーの構築をサポート
RMGTは、基幹システム、ワークフローシステムと連携させるシステム*を提供し、お客様の既存機器やこれから導入する機器との連携に必要なシステム構築をサポートしています。それぞれ得意分野を持つパートナー企業と協業し、各種システムとの連携を進めています。これにより、印刷会社様の経営、印刷現場、営業を初めとする経営情報の見える化・数値化を図り、会社全体のオペレーションの効率化や業務改善による生産性の向上、全体最適化に寄与するスマートファクトリーの構築をサポートしています。
*RMGTが提供する連携のシステム
①プレスインフォメーションエッジ
ジョブの受け取り、稼働状況の送信等、基幹システムと自動で連携するシステム。プレスインフォメーションクラウドへの稼働状況の自動配信を行います。
②プレスインフォメーションクラウド(PIC)
工場内の複数の印刷機をネットワークにつなぎ、機械の停止、洗浄、版交換などの稼働状況や生産性データ・指標をインターネットのクラウド上に自動で集約して一元管理します。
印刷機ごとの稼働時間やA能率、C能率、損紙などのデータを抽出することができるため、お客様はそれらのデータを分析することで、課題を明確にして生産性向上のための現場改善に取り組んで頂くことができます。また、PICは基幹システムからのJOBデータを受け取り、用紙種や色数、納期に応じて印刷JOB順序を最適化して並べ替えることにより、無駄のない印刷を実現します。更に、PICは自動搬送ロボット(AGV)へも動作指示を出すことができますので、工程間の紙や印刷物の自動搬送によるオペレーターの負荷軽減と人手不足に対応します。
③プレスインフォメーションターミナル
ジョブの受け取り、稼働状況の送信等、基幹システムと自動で連携するシステムで、他社機との接続も可能。プレスインフォメーションクラウドへの稼働状況の自動配信を行います。
SDGs達成を目指す印刷会社様をアシスト
印刷会社様におかれましては昨今の厳しい環境の下、様々な経営課題へ取り組まれています。加えて、お客様を初めとするステークホルダーからの社会や環境面への対応要求が高まり、こうしたニーズへも応えることが求められています。このような中、印刷会社様は仕事量の確保、必要な人材の獲得、設備投資の実行など、持続可能な成長を目指すため、全世界へ向けての持続可能な開発目標を掲げたSDGsに取り組み、ステークホルダーからの信頼を獲得することが重要なこととなっています。
RMGTでは、自動化・省力化機能の他、損紙の削減や電力消費量低減によって省資源/省エネルギーに配慮した、人に地球に優しい印刷機の開発にも取り組んでいます。中でも「RMGT 970モデル」は、菊全ジャストサイズによるコストメリットの他、生産性や印刷物の付加価値を高める各種オプション機能も充実した、経営にも優しい印刷機です。
人、地球、経営に優しいRMGT 970モデルは“誰一人取り残さない” 社会の実現目指すSDGsの基本理念にも通じる印刷機として、SDGsに取り組み、持続可能な成長を目指す印刷会社様を強力にアシストします。
印刷会社様が環境や社会の変化による課題に直面されている中、RMGT-CSPIでは、「工程間連携」「自動化・省力化」「保全」「環境」の4つのカテゴリーを設定し、パートナー企業による共創でお客様の課題や、工場内の生産活動全般に対するSDGsの達成のためのソリューションをご提案・具現化します。
この取り組みは、印刷会社様が抱える多岐にわたる課題に対して、印刷資材、印刷関連機器、周辺装置、システムエンジニアリングなどに携わる様々な企業が垣根を越えて連携することで、新たな価値を共創していきます。そして、印刷業界が持続可能な成長を続け、参加企業が「これからも社会にとって必要とされる会社」となることを目指します。