page2023ミニレポート2 顧客企業のビジネスを変える!DM戦略の実践へ、印刷業界ができることを提案

page2023では、ビジネス課題に沿った様々な展示内容も見ることができた。例えば、グッズ製作あれこれ、印刷製造のスマート化・DX化、デジタル印刷ビジネスの可能性など、多種多様な提案が行われていた。その中でもピンポイントな提案でありつつ、変容を見せていたテーマのひとつに「DMビジネス支援」がある。

DM(ダイレクトメール)は、従来から印刷産業で製作支援してきたジャンルのひとつであり、印刷通販サイトのメニューにもあるほど、一般企業のビジネスツールとして定着している。これまでのDM製作は、DMのコンテンツ作成と印刷(宛名印字含む)がメインの業務だった。
しかし最近では、最適なDM製作の支援に始まり、発送から、その後の取りまとめや、結果を反映したマーケティングまで、“DMに関する様々な業務” を提案・受注する動きが活発化している。

マージネットの「圧着ハガキファクトリー」は圧着ガハキ・DMに関する様々なことを支援する

さまざまなDMビジネスの支援を提案

今回のpage2023では、DMの作成からビジネス支援まで様々な提案が行われた。

例えば、マージネットが展開している圧着DM・圧着ハガキ専門の印刷通販サイト『圧着ハガキファクトリー』は、単にDMの製造を受注しているだけではなく、印刷~宛名印字~検査~投函まで一貫対応している。しかし、それに留まることなく最近では、DMを受け取る人にフォーカスしたDMづくりも増加しており、二次元コードを印刷してレスポンスを追跡するといった提案も行っているという。同社の社内にはデザインができるスタッフも常駐しているため、DMを発送する企業が取り組みたいマーケティングに合致したDMづくりを行っている。

効率的なDMづくりに役立つソフトとしてオンデオマが提案していたのが、バリアブルプリントソリューション「JOIN PIC -VARIABLE-」である。
同ソリューションは、CSVなどのデータベースをもとに、自動で効果の高い可変印刷物を作成するクラウド型のシステム。デザインから印刷までワンストップでこなすことが可能で、クラウドなのでPCへのインストールは不要。オンラインデザインツールを標準搭載しているほか、簡単操作などが特長。
活用することで、宛名・DM(はがき/挨拶状ほか)だけでなく、名刺、ナンバリング(チケット/クーポンほか)、POP(プライスカードほか)など、可変データを扱う様々な印刷物づくりにも役立てることができる。

オンデオマのバリアブルプリントの効率化を実現する「JOIN PIC-VARIABLE-」はDMづくりも得意分野のひとつ

各社各様のサービスで可能性広がる

その他にも、圧着ハガキの印刷から投函までワンストップで対応するのメイセイプリントも出展。
同社は多種多様な形状の圧着ハガキづくりで見栄えのするDMづくりも追求しているが、今回は新たな圧着ハガキとして『水性ニス圧着ハガキ』を紹介していた。
水性ニス圧着ハガキは、環境への配慮などの点からも顧客先からの要望が多かったサービスメニュー。新たに追加することで、提供できる圧着ニスハガキのメニューを拡大している。

水性ニス圧着ハガキを提案したメイセイプリント
数独をDMコンテンツにすることを提案したニコリ

また面白いところでは、“数独” の会社ニコリもDMに数独を採用することを提案していた。パズルゲームとして根強いファンがいる“数独”を、DMのコンテンツとして採用することで、DMの効果が上がるという提案である。
数独 の特長は、①キラーコンテンツになる(後で解こうかなと思わせ、捨てられない)、②懸賞問題をつけることで応募させる(回答ハガキなどを投函させる動機づくりにつながる)、③数字をアピール(回答欄に、「150周年」の「150」や、店舗のオープン日の数字などを当てることができる)、といった特徴を活かすことで顧客とのコミュニケーションツールとなる。

メーカー企業のブースでも、DMに関する提案が見られた。
FFGSでは、キャンペーンコンテンツやスマホサイトなどを簡単につくれるノーコードツール「QLEAR」と高機能自動組版ソフト「FormMagic」でコンテンツデータを作成し、プロダクションカラー機「Revoria Press PC1120」で特殊トナーを利用して加飾印刷・偽造抑止印刷を行い、技術展示となった「圧着トナー」(富士フイルムビジネスイノベーション開発)による圧着DMづくりをプレゼンで紹介した。
プレゼンでは、機密性の高い内容を、ダイレクトに送ることができるDMのメリットが紹介され、会場では実際に制作した圧着DMを配布。DMの中にはデザイン性の高い二次元コードが印刷されており、キャンペーンページへ飛ぶ仕組みが加えられており、DMを活用したビジネスの仕組みが分かりやすく紹介された。

技術展示となった「圧着トナー」の特長のひとつに作業環境を改善がある


関連記事

最新記事