KOMORI KP-コネクトアライアンス強化へ~API公開KGCの第三期リニューアル着工
株式会社小森コーポレーション(東京都墨田区、KOMORI)は茨城県つくば市の「KOMORIつくばプラント」小森グラフィックテクノロジーセンター(KGC)の第三期リニューアルに着手する。
KOMORIつくばプラントのKGCの第三期リニューアルは、2024年10月の完成が予定されている。新KGCでは、同社のITプラットフォームである「KP-コネクト」を活用し、製造DXを実現するスマートファクトリーとなる。KGCはリニューアルに先立ち、「KP-コネクト」のAPI(Application Programming Interface)を公開し、「KP-コネクト」の工程管理モデルである「KP-コネクトプロ」の接続先企業との連携を強化する。
「KP-コネクトプロは各工程の生産機器や各種システムと接続し、印刷物製造工程の「見える化」、「整流化」、「自動化」をすることで印刷工場の生産性向上を実現する。現在「KP-コネクトプロ」のユーザーは、KOMORI製に限らず、工場内全ての印刷機や加工機、刷版出力、用紙入庫の各進捗状況など、印刷物製造に関わる全工程のリアルタイムな実績管理を、手動または自動で記録できる。
また、「KP-コネクトプロ」は“コネクテッド・オートメーション” の中核ソフトウェアとして、MISやプリプレス、ポストプレス、ロジスティクス等の各種システムと、CIP4/ JDFやCSVデータを使って他のデバイスとデータ連携を可能にしている。スケジューラーの機能では、印刷機のみならず加工機を含めた全工程の、最新の予定情報とリアルタイムの作業進捗情報を一画面上で可視化。生産現場のリアルタイム作業進捗が、スケジュールバーの色で識別できるので、生産管理担当者は、予定より早く進んでいる機械に、別の機械からジョブを前倒しするなど、ムダのない予定を組むことが可能になる。
企業間連携「KP-コネクトアライアンスプログラム」は、企業間の垣根を超えたジョブデータの共有を進め、印刷産業のスマートファクトリー化、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進している。DX加速の流れから、「KP-コネクト」の導入が増加すると同時に、連携する企業が増えており、現在の接続実績企業が20社に及んでいる。昨年のIGAS2022では、物流機器(AGV)や省人化ロボットなど異業種の機器とのデータ連携が目立った。
今回のAPI公開をきっかけに、KOMORIではアライアンス企業との連携を強化し、『生産の未来が体感できる空間』に向けてKGCのリニューアルを進めていく。今後はさらに連携先の拡大へAPI接続テスト環境を整え、オープンでフレキシブルな対応を進めていく。
2月2日の共同記者会見で、小森コーポレーションの持田訓代表取締役社長は、「印刷産業は非常に業務内容が複雑であり、また感性が重要視されるビジネスのため標準化が難しいとされてきた。このためKOMORIはKGCで技術教育や標準化に取り組んできた。さらに業態変革、IT、DX、スマートファクトリーが求められる中で製造工程を合理化していくことは他の製造業と同様に避けて通れない。KP-コネクトプラットフォームは、このような取り組みを支援し、実現するための重要なアイテムとなる。今後もオープンな環境を準備し、各企業と連携できるように努める。本日の発表は大きな意義を持ち、印刷産業のDX化、発展に貢献すると確信している」とアライアンスの意義を強調した。
続いてKOMORIの藤巻陽介執行役員事業推進本部長が会見の主旨、秋山洋一ICT推進部部長がAPI連携を説明し、参加企業がコメントを述べた。
株式会社SCREENグラフィックソリューションズ
代表取締役 社長執行役員 田中 志佳氏
当社と小森コーポレーションは、過去から製版と印刷工程の自動化に取り組み、2017年には、ソリューションプラットフォームの「EQUIOS」と「KP-コネクトプロ」がシステム融合し、省力化を推進する機能を提供した。KP-コネクトのAPIが公開されると共に、KGCのリニューアルが、未来のスマートファクトリーを生み出す環境になると確信しており、当社も協力して、印刷DXに繋がるソリューションを提供していく。
株式会社デュプロ
代表取締役社長 田中 日出男氏
印刷業界では、受注から調達、印刷、後加工、そして発送に至るそれぞれの工程で、自動化やシステム化によるリアルタイム管理による生産性の向上が求められてきた。このような課題を解決する手段として、デュプロは後加工工程のIoTツール「Duplo+Insight」の提供を開始した。印刷会社様は工程毎の見える化にとどまらず全体統合を図ることで、意思決定や行動を新たな高みへ引き上げようとされている。今回の「KP-コネクト」との連携を通じて、最適なソリューションづくりのお手伝いができればと楽しみにしている。
富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社
取締役 常務執行役員 安田 庄司氏
富士フイルムグループは、プリプレス、デジタルプレス、後加工の各工程でソリューションを展開するメーカーとして、小森コーポレーションとこれまでもお客様の要望を叶えるため連携してきた。今後も連携をより密にして印刷産業のDX推進に大きく貢献していきたいと考えている。今回KGCのリニューアルにより、印刷の未来が体感できる場となる事を期待している。
ホリゾン・インターナショナル株式会社
代表取締役社長 衣川 竜二氏
ホリゾンでは、DXが叫ばれる中、2018年より本格的にSmart Factoryの実現に向けた取り組みを実施している。ポストプレスを視点に上流工程を考えることが、より効率的にEnd to ENDのワークフローへと繋がると確信し、進めてきた。弊社の機器管理システムiCE LiNKではKP-コネクトプロからのJDFデータを受け取り、進捗を返すことが実現できている。今回のAPI公開でよりシームレスな関係へと発展することを期待している。
【KP-コネクト接続先企業(敬称略)】
▽MIS=J SPIRITS、ビジネスイーブレーン
▽プリプレス=SCREENグラフィックソリューションズ、コダック、富士フイルムグラフィックソリューションズ
▽印刷機械=小森コーポレーション
▽ポストプレス=デュプロ、ホリゾン、芳野YMマシナリー、MBO、H+H、Perfecta、Hohner、BOGRAMA
▽自動搬送=APT
【KP-コネクトアライアンスプログラム】
2017年6月に各工程の製品とKP-コネクトが相互に接続。印刷会社の生産性向上と印刷のバリューチェーン全般の最適化を目的としたパートナーシッププログラム。
株式会社小森コーポレーション
TEL:03-5608-7811
https://www.komori.com/ja/jp/