富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社の『Prepress Factory Automation』はCTPワークフローの効率化と自動化を実現するソリューションである。刷版工程は、CTPの導入によりデジタル化が進んでいるが、版の出力前後には、オートローダーへの刷版装填作業、出力後の版曲げや仕分けなど、人手を要する作業が多い。小ロット・短納期対応や働き方改革、人材確保のためには、こうした作業のさらなる効率化が必要になる。『Prepress Factory Automation』は、このような刷版工程の課題を解決するもので、ユーザー１社ごとの課題に合わせて最適なシステムを構成し、刷版工程の自動化・省人化をサポートする。

オートメーション化の３大メリット

オートメーション化のメリットには“生産性向上”、“働き方改革”、“人材の有効活用” のメリットがある。『Prepress Factory Automation』はこれらを実現する。
“生産性向上” の面からは人手を介する作業がなくなることで、刷版工程全体の大幅な効率化が図れ、人為的ミスもなくなり、工程の後戻りを削減。小ロット・短納期要求に確実に応えられる体制が構築できる。
“働き方改革” の面からは現場のオペレーターの負荷が大幅に低減し、より快適な作業環境が実現。無駄な作業がなくなり、残業時間の削減にも寄与する。人件費削減などのコストメリットにもつながる。
“人材の有効活用” の面からは刷版工程の工数が減ることにより、人員配置の最適化が可能になり、クリエイティブ部門の充実、提案力の強化などが図れる。人材の能力をより有効に活かすことで、企業の競争力を高めることができる。

『Prepress Factory Automation』は現在、①完全無処理CTPプレート、②パレットローディングシステム、③CTPセッター、④インクジェット印字装置、⑤自動ベンダー、⑥刷版自動振り分け装置で構成される。ユーザーの業務や環境に最適化されたシステムが構築される。

完全無処理C TPプレート『SUPERIA ZX』はCTPを完全無処理化することにより、自動現像機やガム洗浄機などを不要にする。これら処理機器に関わる品質管理やメンテナンスが一切なくなり、有処理システムに比べ大幅な工数削減が実現する。

全自動CTPパレットローディングシステム『KRAUSE POWER LOADER』は、専用のパレットを使用し、1,200枚の刷版を約５分で装填する。従来のオートローダーのような「カセットへの装填作業」が不要で、開梱から装填まで一人で作業できるため、刷版工程の効率化・省人化を実現。また、プレート装填時のキズ・汚れ発生のリスクも低減する。

パレットローディングシステムに装填された完全無処理CTPプレートは、最高70版／時出力の『CTPセッター』から出力される。出力されたCTPプレートには、『インクジェット印字装置』で、刷版上にジョブ情報などをインクジェット印字することにより、印刷機への刷版取り付けミスを防止する。印字部は、無処理版の感光層に影響を与えることがなく、安心して活用できる。その後、『自動ベンダー』により自動でベンド（版曲げ）する。最終的には『刷版自動振り分け装置』で、印刷機別、サイズ別など、ニーズに応じて刷版を複数のストッカーに自動で振り分けられる。これにより作業負荷低減、ミスの防止を図る。折り曲げ／工後の刷版も、キズをつけることなく自動振り分けが可能となる。

『Prepress Factory Automation』は、XMFに標準搭載のバーコード作成機能により、XMFが管理する情報を、各装置の自動化に必要なQRコードやDataMatrixコードなどとして刷版上に付加することができる。また、MISの受注・生産情報とXMFがCSVデータを介して連携することにより、MISが管理する情報を間違いなくXMFに渡し、各装置の自動化に必要なQRコードやDataMatrixコードなどとして刷版上に付加することが可能。MISからのJDF／JMFコマンドにより、CTP出力指示やCTP出力実績のフィードバックなど、より高度な自動化が実現する。

自動化ライン構築例

完全無処理版＋インクジェット印字装置

　版面にインクジェット印字装置でジョブ情報を記入することにより、人手による作業をなくし、取り扱い時のキズ・折れなどを防止。また、時間経過により版面濃度が低下した状態でもジョブ名の識別が可能になり、CTP出力運用の柔軟性が向上する。

パレットローディングシステム＋大量ストッカー
刷版のパレット品を使用することで、版の積み替えの作業負荷・時間を削減するとともに、取り扱い時のキズ・折れを防止。また、大量ストッカーとの併用により、版の搬送・取り扱いが容易になり、運用性が向上する。

状態監視システム
CTPセッターおよびパレットローディングシステムに状態監視システムを追加することにより、トラブル発生時の録画画像・ログ情報の自動入手、リモートサポートが可能になる。

〔問合先〕
富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社
TEL：03-6419-0300（インフォメーション）
https://www.fujifilm.com/ffgs/ja