ホリゾン 製本過程の自動化と生産性向上を実現、次世代型製本ワークフローシステム『iCE LiNK』

ホリゾンの次世代型製本ワークフローシステム『iCE LiNK』は、後加工装置が作業の間に作り出す大量の情報をクラウドに集めることで、先進的な作業環境の構築を支援する。後加工の自動化や、稼働状況の監視とデータ収集、メンテナンス管理など、多彩な機能で製造工程のコスト削減と生産性の見える化に貢献する。

用途に合わせた3つのエディション

『iCE LiNK』はサブスクリプションサービスで、基本モデルとなる『IoT Basic』をはじめとする3つのエディションが提供されている。エディションごとに利用できるサービスが異なり、導入後にシステムの拡張が必要となった場合は、上位エディションへのアップグレードできる。

基本モデルの『IoT Basic』は、クラウドを通して装置の状態が一目でわかるダッシュボード、消耗品や部品交換の時期を知らせるメンテナンス管理機能、バーコードジョブ機能など、生産工程を円滑化させる多彩な機能を搭載している。加えて、機材から収集したデータをもとに、総合設備効率(OEE)分析、ジョブ分析、作業者分析が可能な「KPI分析」によって、コスト削減や生産性の向上に貢献する。

『IoT Basic』の上位モデルである『Automation』は、JDFワークフローによる自動化機能が追加されており、MISやプリプレス工程と連携した自動化運用を実現。さらに外部連携用Web APIを介して、サービス担当者が遠隔からトラブルの発生を監視する機能もしており、スマートフォン・PCなどの外部システムから『iCE LiNK』に作業開始・終了を指示できる。また、『iCE LiNK』が取得した情報を外部システムへ送信することが可能となっている。

最上グレードのモデル『Enterprise』は、自動化に加えてジョブのスケジュールやタスク管理などすべての機能を含むエディション。JDFジョブを手動で作成、編集できる。加えて、生産負荷率をもとに、人員配置や機械稼働を最適化し、効率的な生産計画を実行できる。

稼動状況を可視化

後加工には「折り」、「断裁」、「製本」といった複数の工程が存在する。それぞれの工程の稼動状況を見える化することは可能でも、各工程のデータを全体像としてまとめるのは難しい。『iCE LiNK』では、後加工を開始してから完成した成果物が梱包、発送されるまでの工程全体を管理することができる。

機械の稼働状況把握やメンテナンス管理が可能

例えば、紙折り機でジョブチケットのバーコードをスキャンすると、ジョブ情報や稼動情報が『iCE LiNK』に自動で送信され、セット替え時間、総生産時間、停止時間を計り、それらをダッシュボードに表示する。似たようなジョブを比較することで、機械ごとの平均時間や人件費を算出することができるほか、どの工程に時間がかかっていたかを把握することで、新しい設定方法や効果的なインラインシステムの導入を検討する根拠を得ることができる。

『iCE LiNK』に接続された設備はダッシュボードに表示され、生産現場の状況を一目で把握し、機械の生産状況をリアルタイムに把握することができる。各拠点ごとに生産現場の状況が分かれば、特定の拠点にジョブが集中することなく、作業が平準化する。

『iCE LiNK』のダッシュボードには外部からスマートフォンやタブレットでアクセスすることも可能。他のワークフローシステムにダッシュボード上の情報を送り、印刷機や後加工機の情報を統合することで印刷工程全体も可視化する。ダッシュボードの画面上のタブをクリックすると、各機械の生産性、パフォーマンス、総運転時間の内訳が表示される。

また、昨今、熟練者の退職や製造現場での人員確保が難しくなっている。『iCELiNK』では設定したセットアップ情報を呼び出し、機械の調整作業を自働化。これにより熟練者の不足や教育時間の短縮を実現するとともに属人化を解消。稼動時間などからメンテナンス時期を設定しておけば、リマインダーメールで必要な部品交換などをオペレーターに通知し、突発的な故障を防ぐことができる。

他システム、AIとの連携も

『iCE LiNK』のJDF連携は、これまで同社が展開してきたインターフェース『pXnet』の機能と他社システム(MISや面付けソフト)との接続実績を完全に継承している。またJDF以外の接続方法による自動化・省力化機能も順次開発する予定で、プリプレスシステム、印刷システム、MISなどのシステム間の連携が容易になる。

後加工機の稼働実績や分析結果はCSVファイルとしてダウンロードできるため、前工程のシステムとの連携も用意。さらに将来的には、大量に集めた設定情報から機械学習機能を使ってパラメータの微調整値を導き出す機能など、経験や勘に頼る作業の省力化・自動化を実現する。

他社との連携ではSCREENグラフィックソリューションズ(SCREEN GA)と、人工知能(AI)を活用したソリューションを共同で開発することに合意。AIやIoTなどの先進ソリューションを提供しているSCREENアドバンストシステムソリューションズと協力し、ホリゾンの次世代製本ワークフローシステム『Ice LiNK』とSCREEN GAの『TRUST Network Service』に集積される生産ラインの稼働データをAIで分析。生産ラインの条件設定の最適化やトラブル解決策の提案、操作補助などをAIが実施し、誰もが簡単かつ効率的にオペレーションできる生産環境の提供を目指す。

ワークフローの最適化でコスト削減と生産性の向上

SmartFactory製本の専用ページを開設

ホリゾンは同社のホームページ内に、このほど工場の自動化を進める『Smart Factory』製品の専用ページを開設した。

製本関連機器メーカーのホリゾンは、2019年から協働ロボットやAGV・AMR(無人搬送車)を取り入れた様々なシステムを展開している。後加工工程の作業自動化のみならず、包装資材の自動梱包、他社製プリンターからの用紙搬送の自動化など、メーカー間の垣根を超えた開発実績もある。

ホリゾン自社工場では、積極的に生産ラインのSmart Factory化を進めており、AGV・AMRを利用した組み立て部品の自動調達システムを構築。作業員の負担軽減に貢献している。これらのノウハウを生かして、ハードウェアの導入からシステム構築まで、顧客の要望に応じたフレキシブルな提案でSmart Factory化を視点している。

専用ページは動画でAGVやAMRによる自動搬送や、協働ロボットの活用を紹介。それぞれの製品説明やホリゾンびわこ工場内の取り組みなどで構成されている。

[問合先]
ホリゾン・ジャパン株式会社
TEL 03-3863-5361
https://www.horizon.co.jp/

SmartFactory製本の専用ページを開設

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