共進ペイパー&パッケージ ハイブリット液ラミ『Kompac Phoenix30』導入~厚紙印刷専門のネット通販『Imprenta』の加工サービス強化

 株式会社共進ペイパー&パッケージは、印刷会社向けの厚紙印刷専門のネット通販『Imprenta』のニスサービス強化に向けて、江東錦精社のB全判サイズ対応UV・水性ニス兼用液ラミネーター『Kompac Phoenix30』を導入した。  
 同社は1948年、神戸市須磨区で創業。1961年に紙器、段ボール製造工場を立ち上げ、本格的にパッケージ製造を始め、現在は全国6工場タイに2工場の製造拠点で、段ボールシート生産をはじめ、印刷・打抜加工・製函・発送まで一貫生産体制を整えている。2013年4月にはデジタル印刷機を活用し、“ほしい箱を 欲しい時に 欲しい量だけ 欲しい価格で”をコンセプトに、インターネットで小ロットの紙箱、貼箱を受注する『ハコプレ』を開始。現在は小ロットのPOPを提供する『ポップレ』、小ロットの紙袋を提供する『ハコプレ 紙袋』、一般消費者向けの『世界にひとつだけの箱』を展開しており、印刷、抜き加工の技術を活かした独自のサービスを編み出している。

これらのデジタル事業は急成長を遂げており、コロナ禍の3年間でも売上が150%拡大した。2019年にデジタル事業の主力工場・関東工場に導入したB全判デジタル印刷機が、デジタル事業で受注する商品のサイズを拡大させたことも事業成長を後押ししている。現在、B全判デジタル印刷機は、ハイデルベルグの7色コーター付き枚葉オフセット印刷機『スピードマスターXL106』に切り替わった。同時に200部以下の製品は大判フラットベッドインクジェットプリンターで生産されるようになったが、全体的に生産能力が格段に向上したことで、さらなる伸び代が見えている。

 現在、関東工場では、B全判オフセット印刷機、B2判インクジェット枚葉機、大判フラットベッドプリンター、プロダクションプリンターが稼動。適材適所で生産手法を柔軟に選択できる体制となっている。

同社の鍛治川和広社長は、「この3年間で受注製品が全体的に大型化しました。コーターについても大型化が不可欠で、同時に伸びている需要の中でニス加工の生産性向上も必要でした」と述べる。

鍛治川和広社長

機種選定に際しては、受注製品の大型化への対応、生産性の向上、品質の向上が条件だった。とくに今年からサービスを開始した印刷会社向けの厚紙専門の印刷ネット通販『Imprenta』でニス加工サービスを提供していくためにも、コーターの更新は避けて通れなかった。

B全対応、高い生産性が “極小ロット、メガ品種”に合致

Kompac Phoenix30
レール稼働式の給紙台でメンテナンス向上

 江東錦精社の『Kompac Phoenix30』は、チャンバーシステム搭載のハイブリッドコーター。チャンバーシステムにより均一にニスがローラーに供給されるため、ニスのムラが解消され、高い仕上がりを得ることができる。UV乾燥装置とIRドライヤーにより、UVニス、水性ニスに1台で対応する。  「UVニスと水性ニスの二つのラインを持つという選択肢はありませんでした。UVから水性ニスへの切り換えは10分から15分で、ジョブをある程度グルーピングして加工すれば切り替え時間は気になりません」  パッケージのニスに割合は水性が7割、UVが3割。『ハコプレ』で受注するパッケージのボリュームゾーンは500個で、多い時に1日に3,000ジョブに及ぶ。POPや紙袋も含めてデジタル事業のキーワードは“極小ロット・メガ品種”。本来、生産性を下げる小ロットの案件を大量に集めてグルーピングし、一気に印刷・加工することで効率的に生産する。ニス加工も用紙やニスの種類でジョブをグルーピングして生産性を高めていく。

そのためには機械装置そのものの処理スピードが必要となる。『Kompac Phoenix30』の加工速度は20m~60m/分で、同等クラスの中では非常に早い。サービスを開始した『Imprenta』が加わったことで、ニス加工のニーズが格段に増えると見込まれる。鍛治川社長は「それらの表面加工に対応していると判断して導入しました」と期待する。オフセット印刷をはじめ、インクジェット、トナーでも問題なく加工できるニスの高い汎用性も“極小ロット・メガ品種”の生産にマッチした。

鍛治川社長は加えて「現場の意見として、PPラミネーターで江東錦精社さんのサポートが良く、今回も安心できると聞いています」と、アフターサービスも導入動機に挙げている。

G段ダイレクト印刷も視野に

『Kompac Phoenix30』でニス加工を提供する『Imprenta』は、印刷会社向けの厚紙専門の印刷通販と位置付けており、刷り本のみならず本機校正も安価で提供するサービスで、基準4色のほか、特色も受け付ける。希望する納品日を指定すると逆算して入稿日を表示するなどUIが工夫されているほか、平台校正と本生産の色が合わない、厚紙校正の小ロットや本機校正のコストが高い、種類が多い厚紙の仕入れ管理が煩雑などの課題を解決する。

 パッケージなどの厚紙印刷は、校正と本番の印刷で色が合わないという課題が多い。また、本機校正の場合、コストが高く、納期がかかり、機械の稼動率も低下する。同サービスでは本機校正、本番校正とも同じ印刷機を利用するため、カラーマッチング精度が高い。価格はB1サイズ4色印刷本機校正が2万円台/回で実現。実生産も最小ロット2万円台から提供する。工場は24時間体制で、最短1営業日に対応する。用紙の種類は40種類と豊富で、様々なニーズに応える。

Imprentaのトップ画面

 「同業の印刷業の方々が厚紙印刷の発注に慎重になることは想定しています。安心感を持って頂けるようにテスト印刷にも応じながら、利便性を感じて頂ければと考えています」(鍛治川社長)。今後は『Imprenta』でG段ダイレクト印刷サービスも視野に入れており、次なる成長の一手を打っていく。

<「株式会社共進ペイパー&パッケージ」概要>

株式会社共進ペイパー&パッケージ
神戸市中央区元町通6-1-6 共進ビル
代表:鍛治川和広氏
TEL 078-341-1741(代)

https://www.kyoshin-pk.co.jp/

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