SDGs AICHI EXPO 2022開催中! 印刷産業からも出展、カーボンニュートラル・ローカルSDGsの実現を目指すイベントが8日まで

「SDGs AICHI EXPO 2022」が、10月6日から8日まで、愛知県常滑市のAichi Sky Expo(愛知県国際展示場)で開催されている。

今回の開催で3回目となる「SDGs AICHI EXPO 2022」は、各主体、各世代間のパートナーシップ構築をより具体的に推進し、国際的な課題や地域の課題の解決に向かう「あいち発 未来共創パートナーシップ」の実現を主目的としたイベント。2030年に向け、地域が抱える様々な課題を環境を切り口に統合的に解決し、脱炭素社会、循環型社会、自然共生社会、多様性社会といったあらゆる社会的テーマをパートナーシップのもとで同時実現していく必要がある。
そこで、企業や自治体、NPO、学校/大学など多主体、多世代が連携して開催されることを活かし、SDGs時代に相応しい未来に向けた新しいパートナーシップを共創することを目指して開催されている。

愛知県のブースから

会場は、愛知県のブースを中心に県内の市町や大学・高校・小学校、そしてSDGs活動に取組み、広く啓蒙・普及することを目指して取り組んでいる各企業が出展。
民間企業からは、ライオン、ワタミ、ダイドードリンコなどの企業に混ざって、エムアイシーグループ、竹田印刷、長苗印刷、富士凸版印刷といった愛知県下の印刷関連企業のほか、凸版印刷、モリサワなども出展している。


エムアイシーグループは、クリアファイルのほか販促グッズの制作などでも知られている。脱プラの動きを受け、これからの時代のニーズにあう「エコ販促グッズ」を作成し、SDGsをチャンスに変えるグッズとして提案。疑似エンボス印刷を使った紙製ファイルは、クリアトナーを使うことで、ファイルとしての強度やデザイン性をアップすることに繋げている。
また同社は、自社の所在地である西尾市のSDGs活動を支援すべく特設サイト「SDGs 17 にしお」も開設している。

エムアイシーグループのブース
「SDGs 17 にしお」のサイト
紙ファイルは愛知県から第4回あいちサービス大賞も授与されている

竹田印刷印刷は、自社独自で行っているSDGsへの取り組みの中から、「ダイバーシティ&インクルージョン」の活動を具現化するために展開している、アール・ブリュットを活用したプロダクト、自治体や公共施設などとの地域連携プロジェクトなど、これまでの取り組みを事例形式で紹介。
”生の芸術”を意味するフランス語である「アール・ブリュット」は、芸術における障害者の表現を意味する言葉としても使われるようになってきている。今回、ブースには障害者アートを採用した名刺やスノーボード、トランプなどを展示。障害者アートを採用することで、従来までの使い方を超えた新しい可能性を紹介した。

竹田印刷のブース
障害者アートを採用した印刷物として、名刺の他に、新作のトランプやスノーボードも展示

”エコロジーとエコノミーをビジネスに”をテーマに出展していたのが、春日井市の長苗印刷株式会社。会場では、部門を超えて ”ecoだけマーケティング” を提案しているメンバーが集結し、企業ごとにできるSDGsについて、一緒に考え、提案する場となっている。
ブース内では商品パッケージの廃棄ロスと減プラスチックに繋がる新提案「バイオマスシュリンクフィルムパッケージ」「バイオマスシュリンクDM」も紹介。「バイオマススリンクDM」は、減プラ商材ではあるものの、インパクトとワクワク感を提供するDM。

新提案「バイオマスシュリンクフィルムパッケージ」「バイオマスシュリンクDM」
長苗印刷のブース

SDGsとブランディングを掛け合わせた取り組みで出展していたのが富士凸版印刷株式会社。印刷会社としてはめずらしい”シルク事業部”があり、シルクを素材にした化粧品の販売も行っている。シルク事業部の活動では、養蚕事業もスタートし、桑畑も持つなど徹底している。この事業を通じて、自然環境や里づくりを考え直していく提案をしていきたいとしている。
その他にも環境印刷の提案はもとより、『紙の環(わ)プロジェクト』も展開。同プロジェクトは、顧客先が廃棄物として捨てた紙を引き取り、新たな紙として生まれ変わらせ、その収益は社会に還元する。同社の山本登美恵社長は、印刷会社の事業が持続可能な社会の一部として機能し、そのための提案をしていきたいという。そして、「本当に必要とされる印刷物、捨てたくないと思われる印刷物を作りたい。それが付加価値になり、利益に繋がるのではないか」としている。

富士凸版印刷のスタッフ(中央が山本富美恵社長)
シルク事業部の取り組みも紹介

凸版印刷は、DX(デジタルトランスフォーメーション)とSX(サステナブルトランスフォーメーション)の2つの視点から、社会に役立つ技術を主に紹介した。
最近では採用が拡大しつつある紙製飲料パッケージのカートカンから、世界最高水準のバリア性能を持つフィルム「GL BARRIER」を採用し、食品ロス問題に取り組んでいる『凸パン』なども出展。ブース先頭には、同社のコマーシャル『すべてを突破する。TOPPA!!!TOPPAN』に出演している大泉洋さんと成田凌さんのパネルも飾られている。

『文字を通じて社会に貢献する』を掲げているモリサワも出展。ブース内では、ユニバーサルデザイン(UD)フォントや多言語に対応した情報配信ツールなどを紹介した。
フォントを通じて、「情報を伝える」「コミュニケーションを向上させる」という視点から、SDGsを考える提案になっている。具体的には、地方創生、共生社会の実現に貢献できるサービスとして、自治体や教育現場での取り組み事例なども紹介。加えて、新しいモリサワのフォントサービスについても紹介している。

LIMEX×新東通信のブースも出展していた。愛知県などの中部エリアでLIMEXを提供していることもあり、共同で出展。会場では、LIMEX素材を使って制作されているメニュー表、パッケージ、食器などを展示。新しい商材として、LIMEXの風合いを生かしたクリアファイルなども提案した。
なお使用後も回収し、再利用される素材を使うことでの循環型社会の実現が可能になるという活動が大切であるとし、「これまで環境問題への認識が遅れていると言われがちな愛知県から、SDGsへの取り組みを発信していくきっかけにしたい」とブース担当者は語っている。

凸版印刷の『凸パン』
モリサワのブース
LIMEXを使った製品などを展示したLIMEX×新東通信のブース

「SDGs AICHI EXPO 2022」 https://sdgs-aichi.com/
10月6日~8日 10時~17時
愛知県国際展示場「Aichi Sky Expo」展示ホールA(愛知県常滑市セントレア5-10-1)

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