PDFGuru 文書管理とデジタル化に関するアンケート調査 日本の文化的慣習や紙への依存が問題

PDF Guruはオフィスで働く男女1000人を対象に文書管理とデジタル化に関するアンケート調査を実施し、結果を発表した。調査結果によると、90%以上の回答者が何らかの形で紙の文書を使用しており、17%は完全に紙に依存していることが明らかとなった。

世界各国の企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるなか、日本企業の多くは依然として紙の書類、ハンコ、手作業のワークフローといった従来の方法に捉われ、新しいツールの導入が遅れている。

今回の調査は2024年10月に「Freeasy」を用いたオンラインアンケート形式で、2回行われた。最初の調査では、日本全国のオフィスで働く20歳以上の男女1,000人を対象とし、2回目の調査では、そのうちの男性75人、女性25人、計100人を対象とした。

調査の結果、社内文書の保管に完全にデジタル形式を使用している回答者は10%未満で約17%が紙のみを使用しており、90%以上が何らかの形で紙の形式を依然として利用していることが分かった。特に重要な文書は依然として紙で取り扱われ、承認の多くはハンコが必要であることが示されている。これは過去の慣行による紙への依存を示唆している。

・紙とペンが手放せない日本人
また、Microsoft Wordが最も使用されているツールだが、約18%は依然としてペンと紙を使用していた。これは日常業務で紙が使用されていることを裏付けている。文書の保存や共有については約79%がデジタルで文書を保存・共有しているものの、多くはクラウドストレージを使用せず、USBや外付けハードドライブ、印刷物などの手段を好む傾向にある。
さらに半数以上がデジタル化への努力不足について不満を示しており、非常に満足していると回答したのは約10%と低い数値にとどまっている。

・紙がぎっしり詰め込まれたぶ厚いバインダーがオフィスに並ぶ
多くの企業が文書をストレージ管理することが可能であるにも関わらず、依然として印刷された文書を管理しており、既存の紙の記録と併せてファイリングする、という体制が根強くあることが分かった。また、紙媒体とデジタルの文書が混在している企業が多いことも、社内文書を効率的に整理することを困難にしている。

しかし、紙媒体を主にする日本の文化的慣習とデジタルなワークフローの現状のバランスに対しては、全体的に満足を示している傾向にある。管理職が新しいソリューションを積極的に採用していないと感じる社員は多いが、同時に従来の安心感からかイノベーションよりも優先されている。

デジタル化の努力にもかかわらず、90%以上の回答者が何らかの形で紙の文書を使用しており、17%は完全に紙に依存している。この依存は特に文書の承認プロセスにおいて顕著で、半数以上の回答者が管理職の捺印を必要としていた。これは、日本の文化的慣習が深く結びついており、デジタルソリューションの採用に大きな課題をもたらしていることを示している。
デジタルツールは日常業務の必須要素というよりも、補助的な利便性として機能していることが分かる。セキュリティへの懸念や手作業への慣れも、クラウドストレージやAIなどの現代的なツールの導入を遅らせる要因となっている。

日本企業がデジタル化を完全に受け入れるためには、経営陣が新技術の推進とワークフローの改善を主導し、電子印鑑、安全なクラウドストレージ、AI駆動のソリューションの利点を周知することが必要。加えて、紙への依存度を下げ、しっかりしたデジタルワークフローを構築することが、新たな技術の潜在力を引き出す上で重要である、と調査結果から分かった。

PDF Guru『日本のオフィスにおける文書管理とデジタル化の課題』
https://pdfguru.com/ja/blog/digital-trends-in-japanese-offices-research

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