NTT印刷と廣済堂、福島印刷が業務提携、デジタル印刷機4ライン同時稼動へ
NTT印刷と、廣済堂、福島印刷は9月30日、それぞれの得意分野や経営資源を活用し、デジタル印刷の生産連携体制を構築すること等を目的とし、業務提携契約を締結した。今回の業務提携により、高解像度デジタル印刷機を最大4ライン同時稼働させることが可能となる。
廣済堂と福島印刷は、2015年6月に業務提携契約を締結し、シェアモデル・マネジメントによるコストとリスクの低減、競争力強化を図ってきた。今回のスキームにNTT印刷が加わり、3社が連携することでシェアモデル・マネジメントの一層の発展・高度化を図る。その第一段階として、NTT印刷のデジタルスマートファクトリー(NTT印刷入間工場内)に、廣済堂及び福島印刷のデジタル印刷機を2台移設し、高解像度デジタル印刷機を最大4ライン同時稼働させることにより、量産体制を構築する。
NTT印刷は、NTTグループ唯一の総合印刷会社として、NTT請求書や官公庁・金融機関の顧客を中心とした大量の通知物を発行し、封入封緘技術や品質・情報セキュリティに強みを持つ。近年は、顧客の印刷業務を実施する中で蓄積したノウハウを活用したDX・BPOサービスを展開している。
廣済堂は、大手出版社との長年の取引から、出版印刷や冊子印刷技術に強みを持ち、デジタル印刷に関する国内最高水準のカラーマネジメント技術を有している。近年は、幅広い顧客資産とさまざまな事業領域で培った総合力を活用し、顧客の業務負担の軽減・業務サポートに貢献するBPOサービスも展開中する。
福島印刷は、市場動向を踏まえた企画提案を得意とし、DM(ダイレクトメール)等効果的なメーリングサービスを強みとしている。また、顧客の状況に合わせたワン・トゥ・ワンドキュメント自動生成と、バリアブル印刷を組み合わせ、DMをまとめて生産するメーリングソリューション「パックサービス」により、短納期発送、価格低減を実現している。
3社は、主力事業に印刷事業を有するという面で類似した業態ながら、各社がそれぞれ得意とするサービス・技術・ノウハウを活用し、互いに補完し合うことで相乗効果を高め、競争力強化、新商品・サービス開発による新たな市場・顧客の開拓など、将来的な成長への可能性を高めていく。
今回の連携では、①市場研究連携による提案力強化、②生産技術・ノウハウの活用による新商品・サービスの研究開発、③生産連携による生産効率・品質・セキュリティ管理レベルの向上、生産設備の共用による効率的・効果的な設備投資・運用、⑤資材の共同購入及び共同運送等による効率化と原価削減を目指す。