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MUD協会 新理事長に浦久保氏が就任

メディア・ユニバーサル・デザイン協会は11月28日に開催した総会で、伊藤裕道氏を会長に、浦久保康裕氏を理事長に選任した。

浦久保新理事長 就任挨拶

更に進化し、より多くの方に「分かる、伝わる」情報提供を。

浦久保新理事長
浦久保新理事長

東京都印刷工業組合墨田支部から始まった色覚障がい者の方に配慮した「色覚バリアフリー」。その技術を全国印刷青年協議会がカラーバリアフリーとして全国の印刷会社に発信し、その後、配慮対象者を高齢者、身体障がい者、外国人、子供に広げ、色覚だけでなく情報伝達に必要な技術や手法を網羅しメディアユニバーサルデザイン(MUD)と改め、その普及啓発事業を行うために組織された当法人も間もなく設立10年を経過しようとしています。この10年間で社会を取り巻く環境は大きく変わりました。外国人観光客の増大や2020年に開催が決まった東京オリンピック・パラリンピック、そして超高齢化少子化と同時に進む就業人口の減少、そして国が掲げる障がい者、高齢者、女性などすべての国民が生き生きと暮らす一億総活躍社会の実現など、そしてその社会環境変化に対応するためにコミュニケーションを支える知識や技術も進化しなければなりません。
多種多様な人々が生き生きと暮らす社会、言い換えればダイバーシティーを実現していくために必要不可欠なのは多様性の受入れであり、受入れのためには理解可能な情報受発信を行うことが重要になります。そんな中、私たちMUD協会は従来の考え方を一歩進め、組織や社会の中に存在するすべての人が情報を受取り、理解できることを保障する「情報保障」を掲げ、行政・企業・教育機関や団体とも積極的に情報交換、協業を行います。そして、その成果をセミナーや検定などのコンテンツに生かします。専門性を高めた内容やターゲットを絞ったセミナーを新たに開発し、教育機関や企業向けに実施いたします。また、3年前からスタートしました3級MUD教育検定も受験者が3000名を超え着実にMUDは社会に着実に根付いて来ました。2年前からスタートしました2級検定も合格者が100名を超え、制作の現場でMUDを実践して頂いています。そして、検定事業の仕上げとして来年度より1級をスタートいたします。また、同時にMUDを更に全国に広げていくために3級の受験方法の改革を行い、企業・学校単位や少人数での受験を可能にいたします。また、MUD検定合格者の皆様を組織化し、協会と皆様との情報交換を活発にし時代や社会のニーズに合ったMUDの姿を創り出していく一助としたいと思います。
これまで人間社会は様々な価値創造を通じて産業を生み出し成長の基盤としてきました。そして今、ICTやIoTなどの情報通信資本を基盤とする「情報・知識」の時代を迎えています。「情報・知識」が大きな価値を持つ時代だからこそ誰もが情報を受取ることができ、人間同士が理解可能な情報の交換が自由に行うことができる。私たちはその基盤を支える技術として多くの知見を集めMUDが「情報保障」を実現できる手法として広く社会に認識して頂けるようさらに進化をしてまいります。

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