MM総研 企業のデジタル革新実施率は42.3%、AIおよびRPAの活用率は20%超える
MM総研は、デジタル革新の取り組み状況・ニーズ調査を実施し、その結果を発表した。それによると、デジタル革新実施率は現在42.3%に達し、今後さらに増加する見込みとしている。
この調査は年商50億円以上の国内大手・中堅企業1,029社の情報システム部門と企画部門を対象に2018年6月に実施したアンケートをもとに取りまとめたもので、企業のデジタル革新の実施状況や、検討開始時期、AIやRPAの活用状況などを聞いている。
同調査の「デジタル革新」とは、クラウド、モバイル、IoT、アナリティクスやAI、FinTech、高度な自動化など最先端のデジタル・テクノロジーを取り入れ、ビジネスや会社全体に非常に大きな変革をもたらすこと、と定義・説明して調査を実施。
回答企業全体のうち、デジタル革新を「本格的に実施済み」と回答した企業は17.7%、「テストまたは部分実施済み」が24.6%となり、これらを合わせた『デジタル革新実施率』は42.3%に達した。未実施企業のうち、実施を「準備中」と「実施する方向で検討中」と回答した『デジタル革新実施予備軍』は21.6%だった。
デジタル革新は、本格実施に限定するとまだ17.7%で決して多いとは言えないが、その後に続くテスト・部分実施が24.6%あり、更に実施予備軍も21.6%ある。これらが全て本格化してくると実施率や本格実施率は63.8%に達することになる。
なおAIおよびRPA(Robotic Process Automation)の活用状況を聞いた。AIの活用は、「本格的に活用済み」が7.9%、「テストまたは部分活用済み」が18.5%で、これらを合わせた『AI活用率』は26.3%となった。
AI活用は、本格活用に限定するとまだ7.9%と少ないが、その後に続くテスト・部分活用は18.5%あり、更にその後の活用予備軍は27.5%もあるため、これらが全て本格化してくると活用率や本格活用率は53.8%に達することになる。
RPAの活用に関しては、「本格的に活用済み」が6.1%、「テストまたは部分活用済み」が15.6%で、これらを合わせた『RPA活用率』は21.8%となった。RPAの本格活用に限定すると6.1%だが、テスト・部分活用は15.6%、更にその後の活用予備軍も21.8%あるため、全て本格化してくると活用率や本格活用率は43.5%に達することになる。
AI、RPAの活用は、業種別にみると金融業が先行しており、企業規模別では大手企業の方が高い。しかし、企業規模が小さくなっても活用率は20%前後を保ち、企業規模に関係なくAIやRPAの活用は進んでいる。