JPA 2021年度入学式を開催、印刷の面白さ知り、将来は活躍する人に
日本プリンティングアカデミー(JPA)の2021年度入学式が、4月5日、JPAで行われた。三美印刷、ナカニワ印刷からの新入社員研修生のほか、プリント・コンテンツ学科(1年制)に1名、メディア・コンテンツ学科(2年制)に6名が入学した。なおメディア・コンテンツ学科には、日本だけでなく、中国(3名)、ネパール(2名)からの学生も入学した。
加えて今年は、メディア・コンテンツ学科に中国およびネパールからの学生を含む5名が進級した。
入学式では開式の辞に続き、花井秀勝理事長から式辞が述べられた。
花井理事長は「近年のデジタル化に伴い、印刷は衰退するのではないかと予想されてきました。またコロナの感染拡大でさらにデジタル化が進んでいますが、“デジタル”に対して互換するものが “紙”であるとも、最近言われ始めています」と、現在のデジタルと印刷の関係性を指摘。「スマホで情報検索して購入した商品に対し、購入履歴をAIで測定・検知することで、その消費者がどういった商品に興味があるかを分析し、お薦めの商品を紙のDMで知らせたり、Web広告で表示させたりします。あるいは商品をカートに入れたままの消費者に対しても、紙のDMを送ることで購買促進を図って効果をあげています。デジタルと紙が、今、非常に互換しあっている状況が生まれていると言えるでしょう」と解説した。
また「最近『印刷の再定義』という言葉を、多く聞くようになりました。今までやってきたこととは異なる印刷の在り方を模索しようという活動です。この業界は面白い業界です。ぜひ、新しいマーケティングについて、そして印刷技術やその他にも幅広い分野の講義があるので、しっかり学び、これからの実社会に役立ててほしいと願っています。皆さん、一緒に頑張りましょう」と呼び掛けた。
続いて、曺 于鉉学校長が登壇し、訓示を述べた。
そこでは、「コロナ禍において不安が多い1年だったと思いますが、1年間の中で強い意志を持って頑張ってきた人が、今日、この場にいると、私は思っています。学びで大事なことは、何について、どこに向かっていきたいと考えているのかを明確にしておくことです。JPAでは『印刷』という共通した目的の中で学びますが、自分の人生設計をしていく、そのスタートラインに立っていると認識してください。そして、強い意志がないとモチベーションはついて来ません。モチベーションをあげて、自分の意識を変え、JPAでの学びを進めて頂きたいと思っています」と語った。
また、午後からの花井理事長の講義がああることについても触れ、「テーマが『印刷の可能性』です。印刷の可能性はどれだけあるのでしょうか? 印刷の歴史から見て、私たちにとって印刷は面白い仕事のはずです。印刷がない生活を考えたことがあるでしょうか。様々な情報伝達に印刷の仕事は関わっています。身近なところでは、教科書はどの国でも世界共通の印刷物で、皆さんの人生に関わってきたと思います。教科書は、現代では紙の教科書だけでなく、デジタル化されタブレットを使っての授業も行われています。紙の教科書とデジタルの教科書について、大事なのは紙とデジタルの教科書の融合と、棲み分けについてです。この課題は、これからの業界を担う皆さんが様々な経験や知識を活かして、”可能性”を考えていく課題になるでしょう」と解説。
加えて、「JPAでの限られた期間の中で自分の強みがどこか?何を学ぶべきなのか?それを意識して過ごしてください。その中で自分の人生のために誰にも負けない武器を一つ、作ってください。JPAでの学びの時間を、皆さんが印刷業界で活躍するベースを作るために、最大限活用して欲しいと考えています」とエールを贈った。
その後、来賓祝辞(三美印刷・松田部長)があり、2年制からの歓迎の言葉、新入生らによる決意表明があった。
式典終了後、午後からは花井理事長による特別講義があり、テーマ「印刷の可能性」と題した講義が行われた。
日本プリンティングアカデミー https://jpa.ac.jp/