コスモテック 脱炭素・低炭素社会への提案 ~「環境・水・未来」を実現するために
高品質と資材・省電力・コスト削減
SDGs(持続可能な開発目標)が消費者の支持を広げ、購買活動や金融機関の投資活動にも影響を与え、経営理念に社会課題の解決を掲げる企業が増えている。印刷産業では日本印刷産業連合会が4月に印刷産業として持続可能な社会に貢献する「2050年カーボンニュートラル宣言」を発出した。1978年の創業以来、「印刷と環境をクリエイトする」を追究する株式会社コスモテックの永井尚雄社長に「脱炭素・低炭素印刷」への取り組みを語って頂いた。
コスモテックの企業としての特長と得意分野について
当社は印刷・製本・紙工関連機器の製造販売会社として1978年(昭和53年)に創業し約40年間歩んでまいりました。
以来、常に人と人とのコミュニケーションを重視し、お客様の視点に立った製品の開発に努めており、現在では当社独自のシステムとその技術力の高さに多くのお客様から高い評価を頂いております。
また、当社の指針である「お客様第一主義」を実践し、お客様の真のパートナーとして末永くご愛顧頂ける製品の品質はもとより、より良いアフターサービスを提供し続けています。
常に新しいチャレンジを続ける企業でありたい…という当社の思いから、これまで印刷周辺機器で培った技術を活かした新規事業である環境関連製品の開発に今、力を入れています。
そのひとつである水溶性廃液処理装置フレンドリーは、日々工場で発生する廃液に着目して開発した製品で従来の廃液処理方法より安全で、コスト削減や環境への負荷削減を実現させた製品です。
こうした環境関連製品は、各企業様が取り組んでいる持続可能な社会の実現に向けて有効な製品として数多くのお客様から導入後たいへん好評を頂いております。
高い技術力があったからこそ印刷以外の他業界にも柔軟に応用ができるという点は、当社の特長でもあり得意分野の一つではないでしょうか。
「環境・水・未来」のコンセプトについて
当社の製品は、省エネルギー・省資源・汚染の予防を推進できるものが多く、タグラインにもある「環境」の負荷を低減することを意識した設計・開発を軸に行っています。
また「水」については、当社製品とは切っても切れない深い関わりがございます。例えばオフセット印刷に必要な湿し水の成分と温度を一定に保ち、印刷機へと循環させる【湿し水冷却循環装置】。先程お話をした【水溶性廃液処理装置】。正確な湿度管理が求められる工場、自動車生産ラインといった様々な建物に最適な湿度を提供することができる【ハイプレッシャー加湿器】などといった様々な製品が「水」と関係しています。
その「水」は日々、産業排水や生活排水、地球温暖化などによって水質が汚染されており、やがて「未来」に多大なる悪影響を及ぼすとされています。
当社の製品を通じて水資源を適切に管理・運用して頂くことによって、全ての人々が持続的に生活できる社会を目指したいという思いから、2018年に出展した「IGAS2018」にて当社タグラインとして「環境・水・未来」を設定しました。
湿し水冷却循環装置の環境・脱炭素対応製品について
TOP-ONE ECOシリーズは、当社の経験と技術を集約した製品で「エコ」の名の通り、冷媒ガスにはR407Cを標準採用した省エネタイプの装置となっています。また、環境保護印刷推進協議会(E3PA)に賛同し、ゴールドプラス(E3PAの規格)対応装置として登録している製品もございます。
TOP-ONE CFGは、湿し水に必要な3つの高機能ユニットを1台に凝縮しました。常に最適な湿し水を印刷機へ供給することでインキ量を約15%削減することが可能です。インキ量15%減の年間コスト削減は、約450万円にもなり、インキ製造時や輸送時に発生するCO2も連鎖して大幅に削減できる環境に配慮した製品です。
ハイプレッシャー加湿器の環境・脱炭素対応製品について
コンプレッサーAIRは使わず、高圧ポンプで水圧を6.5~7.0MPaまで高め、微細ミストをノズル噴霧するため他の噴霧方式と比べてエネルギー消費が格段に少なく、また水の消費量も抑えられるため、環境にやさしい噴霧が行えます。
例えば1リットル/1hの加湿にかかる電力量を電熱蒸気式と比べた場合、ハイプレッシャー加湿器だと1/100W程度まで抑えることが可能です。水資源の適切な運用、省エネによるCO2の削減をこれ1台で管理できる地球環境に配慮した加湿器と言えます。
水溶性廃液処理装置の環境・脱炭素対応製品について
火気を使わず処理することで、今まで産廃処理場でかかっていた処理エネルギーとCO2削減を可能にします。
また廃液から抽出した再生水を利用することで、資源の使用を最小限にとどめることも可能な製品です。処理方式に減圧蒸留を採用することで、省エネで安全かつ効率的な処理を実現しました。廃液量を1/10に濃縮し廃液処理コストを大幅に軽減、共沸現象を抑え、処理水中の異臭・有害物質も減らします。
廃液処理装置がもたらすメリットは、これからの環境保護の視点を取り入れた製品づくりには必要不可欠です。地球環境もお客様の事業も持続可能なものへ変化してほしいという思いから製品開発を行いました。
コスモテックが提案する脱炭素社会の方向と製品開発について
1社単位での当社製品による環境への貢献は、地球全体においては微々たるものかもしれませんが、これからも当社環境製品を継続して開発、普及していくことで近い将来、その貢献の大きさは数倍、数十倍と膨らんでいくと信じています。
2050年のカーボンニュートラル(CO2排出量実質ゼロ)社会の実現に向けて、当社はこれからも「環境事業」の推進を今まで以上に強化し、脱炭素社会に必ず貢献していきます。
環境、エネルギー、食糧は全産業における共通のテーマです。地球にやさしい、クリーンな企業イメージは避けて通れません。
環境製品開発の考え方も従来通り、電力・水資源の使用を削減できる製品づくり、ということはもちろん、例えばお客様自身がエネルギー需給の調整が可能な製品やIoTを活用し脱炭素をリアルタイムで見える化ができるシステムなど、多くの脱炭素社会に貢献する製品をこれからも新規開発していきたいと考えております。
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