IDC 2016年第1四半期 国内インクジェットプリンター/MFP市場動向を発表
IDC Japanはこのほど、国内インクジェットプリンターおよびMFP市場に関する2016年第1四半期(1月~3月)の実績を発表した。
2016年第1四半期のインクジェット製品総出荷台数は、前年同期比5.9%減の82万8千台だった(最大用紙サイズA4判以上のインクジェットプリンター、MFPが対象)。これは、第1四半期として過去最低を記録した2015年第1四半期の出荷台数を、さらに下回る。また、四半期別の前年同期比成長率は、消費増税前の駆け込み需要が見られた2014年第1四半期を除き、2013年第1四半期以降マイナスが続く。インクジェットMFPの比率は前年同期比0.3ポイント減少し79.7%となった。
総出荷台数の内訳は、インクジェットプリンター(単機能製品)が前年同期比4.5%減の16万8千台、インクジェットMFP(インクジェットプリンターとコピーやスキャナを一体化した製品)が前年同期比6.2%減の66万台。国内経済が緩やかな回復基調にある中で、プリンターとMFP両方の出荷台数が前年同期を下回る結果となった。
大手ベンダー各社は、今期もキャッシュバックキャンペーン等の販売促進策を実施した。さらに2月には、エプソンが大容量インクタンクを搭載したインクジェット製品を国内で初めて発売し、プリンターとMFPの合計で約1万台を出荷。IDCでは、キャッシュバックキャンペーンがインクジェット製品の購入に慎重な消費者の姿勢を崩せなかった一方、大容量インクタンク製品は全体として大きな需要の喚起には至らなかったとはいえ、ビジネスユーザーを中心に一定の支持を得ることが出来たとみている。
ベンダー別出荷台数シェアでは、エプソンとキヤノンが大きなシェアを占める。さらに、この2社にブラザー工業、日本HPを加えた4社で国内インクジェット製品市場全体の98%以上に達する。前年同期比では、ブラザー工業が3.8ポイント、キヤノンが3.2ポイント、それぞれ出荷台数シェアを伸ばした。一方、エプソンと日本HPはシェアを落とした。
今回の発表はIDCが発行したデータ製品「国内プリンター市場 2016年第1四半期の分析と2016年~2020年の予測」(J16071304)、「国内MFP市場 2016年第1四半期の分析と2016年~2020年の予測」(J16081304)にその詳細が報告されている。