HP KBAと共同開発、ダンボール印刷向けのデジタル印刷機を発表
HP Inc.は、Koenig & Bauer AG(以下、KBA)と共同で、段ボールの大量印刷や原紙への直接印刷を可能にするデジタルプレプリントに対応した、段ボール印刷向け新製品「HP PageWide Web Press T1100S」を開発したと発表した。また、従来「HP Inkjet Web Press」として展開していたHPインクジェットデジタル輪転印刷機の名称を「HP PageWide Web Press」に変更し、超高速印刷を実現する「HP ページワイドテクノロジー」を搭載した「HP PageWideシリーズ」として印刷業界向けから企業向け製品まで幅広い印刷プラットフォームとして提供していく。
従来のアナログ印刷技術では、同じデザインの同じサイズのパッケージを大量に印刷するのみだった。「HP Multi-lane Print Architecture(HP MLPA)」を備えた「HP PageWide Web Press T1100S」には、そうした段ボールの印刷形態に大きなパラダイムシフトをもたらす可能性がある。「HP MLPA」は、ウェブを複数の印刷レーンに分割し、多様なパッケージサイズの異なる個数のジョブをレーンごとに印刷することができる。複数の極少量もしくは少量のジョブは、待ち受け時間を挟まず同一のレーンに並べて順番に印刷しつつ、別のレーンでは大量のジョブを印刷することが可能。「HP MLPA」をデジタル印刷のあらゆる利点と組み合わせることにより、コスト効率に優れたカスタマイズやパーソナライズに加えて、少量印刷に対する需要に在庫なしで対応できる段ボール印刷を実現。これにより、コンバーターは必要なものだけを必要なタイミングで印刷することが可能になる。
出力速度は1分あたり最大183メートル、1時間あたり最大30,600平方メートル。
「HP Bonding Agent」、「HP Priming Agent」ならびに4色の「HP A50水性顔料CMYKインク」を含むプライミング手法の強化により、80~400グラム/平方メートル(GSM)の標準的な非コートとコートのライナーにオフセット品質の印刷を行い、さらに高いコスト効率や多用途性、生産性、彩度と濃度ならびに鮮明な文字の出力性能を備えた品質が実現した。「HP Priming Agent」のインラインとニアラインのコーティングソリューションならびに水性のオーバーコートニスも、ブランドオーナーが求める最高レベルの基準に応える卓越した印刷品質を生み出す。さらに、自動スプライサー/タレットリワインダー、プライマーとオーバーコートニス、KBA PATRAS「Automated Paper Logistics System」をはじめとする設定機能(オプション)は、印刷ソリューション全体の効率をさらに強化する。