HP スイスで開催されたHID 2025でHP史上最速の統合型書籍製造ラインを実演、1時間あたり750冊の書籍を製本 次世代サプライ品とPageWide新機種も同時発表
デジタル印刷分野における最新ソリューションを公開
HP Inc.(本社:米カリフォルニア州パロアルト)は、スイスで開催された「Hunkeler Innovationdays 2025(HID)」にて、最新のデジタル印刷ソリューションを発表した。
主力技術である「HP Indigo LEP(湿式電子写真)」および「HP PageWide サーマルインクジェット」を軸に、印刷業務の効率性、生産性、柔軟性を高める一連のイノベーションを公開した。
展示会では、白紙の巻取用紙から1時間あたり750冊の書籍を製本する、HP史上最速の統合型書籍製造ラインを実演。HP IndigoおよびHP PageWideのテクノロジーに加え、リアルタイムで稼働データを分析し最適な行動を導くインテリジェントオートメーションが活用された。
持続可能性と可用性を高める次世代サプライ品
HPはまた、HP Indigoデジタル印刷機向けに、新たに設計された次世代のサプライ製品パッケージを発表した。これにより、廃棄物やCO2排出量の削減、オペレーターの作業負荷軽減、時間とスペースの節約が実現される。
主な技術革新には、CMYK+、新組成の感光体(PIP+)、再生イメージングオイル(RIO)、インクキャリアのリサイクルシステムが含まれる。これらの改良により、交換頻度の低減と稼働時間の最大化が可能となり、1か月あたり最大約6時間の節約が見込まれる。また、標準のHP Indigoデジタル印刷機において、平均的な印刷ジョブで発生するサプライ品由来の炭素排出量を最大16%削減できるとしている。
IndigoとPageWideシリーズ、印刷現場の変革を推進
2024年3月に発表された「HP Indigo 120K」「HP Indigo 18K」は、AIベースのソリューションと自動化技術を備えた次世代機であり、既に市場から高い評価を得ている。ドイツの印刷会社Limego社では、「HP Indigo 120K」の導入によって、外部への大ロット印刷委託が不要となり、すべての製品を社内で完結できるようになった。
さらに、「HP PageWide Advantage 2200」シリーズには、新たにより小型でコスト効率の良いモデルが追加され、印刷事業者のニーズに応じた構成が可能となった。新モデルは、シングルゾーン乾燥システムとパッシブウェブ冷却モジュールを搭載し、厚いコート紙への高カバレッジ印刷を毎分最大152メートルで実行できる性能を持つ。
デジタルファースト時代の製造現場を支える自動化
HIDの会場では、HPのインテリジェントオートメーションプラットフォーム「PrintOS」によって制御される完全統合型書籍製造ラインが披露された。このシステムは、HPのPageWide Smart Workcell Controllerや複数のパートナー企業との連携技術により構成されており、多様な商業印刷アプリケーションに対応可能な生産ラインとして注目を集めた。
HPは今後も、自動化と持続可能性の両立を軸に、印刷業界における品質と生産性の新基準を構築していくとしている。