FFGS AIでジョブプランニング・面付けを効率化、『PHOENIX』最新版で背丁・背標や、どん天・打ち返し印刷に対応

富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ(FFGS)は、ジョブプランニング・面付けソフトウェア『PHOENIX』の新バージョン『PHOENIX V8』を発売する。PHOENIXはAIを用いて人の経験・ノウハウを必要とする「生産におけるコスト・期間の最適化」を自動化することで、大幅な省力化とスキルレス化を実現できるソリューション。今回発売するV8 では印刷データの絵柄面積を自動解析し、インキやトナーの使用量算出に対応した。その他、どん天印刷や折丁に対する背丁・背標対応などの新機能や操作性改善により、従来以上に幅広い品目・環境での生産最適化を可能とした。

商業印刷物、パッケージなど多くの分野で小ロット・多品種化が進む中、個々のジョブに従来と同様の準備時間や生産方法を取っていては、利益や生産効率が徐々に悪化することが予想される。小ロット生産に強いデジタル印刷機を導入しても、一部の極小ロットジョブしか流せず、生産最適化の効果が低いことに悩んでいる印刷会社も多い。そもそも、オフセット印刷とデジタル印刷では、技術仕様やコスト構造が大きく異なるため、印刷物作成全体の生産最適化を図るに、既存システムや人手による設計作業が困難になっている。その解決にはIoT やAI のような新たな技術の採用が重要で、同社ではこうした課題のソリューションの一つとして2015 年からPHOENIX を販売開始。プリプレス工程の効率化はもちろん、印刷・加工時間や用紙廃棄率の削減まで含めた生産全体の最適化に貢献してきた。

PHOENIX は、ジョブプランニングという生産最適化に向けたユニークな機能を持ち、MIS などからのジョブ情報やデザインデータなどを読み込むと、利用可能な資材や印刷機・加工機の中から最適な生産となる組み合わせを選択し、条件に応じて印刷と後加工に必要なデータなどを作成することができる。箱の展開図など矩形ではない形状にも対応しているため、紙器パッケージやアクリルグッズなどの自動面付けシステムとして運用されてきたが、ページ面付けやタイリングなどの機能を拡張することで幅広い品目で活用されるように変化してきた。また、生産時間や製造コストの計算も行うことができることから、営業部門での見積もり業務や生産管理・工務部門での生産設計業務での利用も増加している。

今回発売する『PHOENIX V8』は、これらの優れた機能を継承しつつ、ページものジョブに有効な背丁・背標や、どん天・打ち返し印刷などに対応。また、印刷データの絵柄面積を自動で解析できるようになり、インクジェットやトナーなどのインクコストの見積もりが困難なデジタル印刷機に対する試算精度が向上するなど、より多くのシーンで高精度な最適化を実現。さらに、全く新しいデータ入力用インターフェイスや分版プレビューなどの機能も搭載し、操作性も大幅に向上した。

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