エヌシークリエイト GMG ColorServerで異機種・複数台のPOD機を管理
名刺印刷で知られる有限会社エヌシークリエイトは、GMGのカラーマネジメントソリューション「GMG ColorServer」(以下、ColorServer)を導入し、複数メーカーの異なるPOD機を併用している出力環境にあっても、一貫したカラー印刷を実現する生産現場を確立している。色の再現性に厳しい企業ロゴ印刷に対応し、多品種・小ロット・短納期対応が進む名刺印刷の効率化を実現している同社の丸山浩社長に導入効果について伺った。
出力環境にとらわれないカラー印刷の現場の構築へ
有限会社エヌシークリエイトがColorSeverを知ったのは4年ほど前までさかのぼる。デジタル印刷のカラーの出力環境が安定していなという課題を抱えている時に、カラーの出力環境を効率化するツールとして紹介されたことが、導入のきっかけだった。
同社が処理する名刺印刷は、少ない時でも1日平均1,000~1,500箱、繁忙期には6,000箱にも達することがあり、1日300~1,000社へ発送・納品している。そのうち、カラー出力が占める割合は半分くらいあり、コーポレートカラーを反映した企業ロゴの入った印刷は、先方が指定した色で納品することが常に求められるシビアな市場である。
コーポレートカラーは、その企業を象徴する色であるため、色味に対して厳しく要求する企業が多い。同社では、統一した色で出力するために、「OK」が出た出力物を印刷見本にして、そこに色を合せていくことで色の品質を維持している。
しかし、出力するシステムに関しては、同じメーカーの同じ機種であっても、コントローラーが異なるだけで色味が合わないということもある。だからといって、受注案件ごとに色調整作業をしていたのでは、1日数千に上る名刺印刷をこなすことは難しいため、出力内容によって出力機を限定するなど、作業の効率化を進めていた。
キヤノン、コニカミノルタ、富士ゼロックスと3つのメーカーが併設されている同社の生産現場において、1台でも出力機がダウンした時、他の出力機を代替え機として活用できなければ生産量を維持することは難しい。そうした時にも出力機を選ぶことなく、スムーズにカラー出力ができる環境を構築するソリューションとして導入したのがColorServerだった。
システムの代替えにもスムーズ対応
カラー出力の作業を効率化
エヌシークリエイトが導入したColor Serverは、カラーマネージネントワークフローの中心的な役割を果たし、データを一貫したカラー標準へ変換し、全てのデータで印刷時に同様の色再現が実現する。カラーマネジメントに関する専門知識を必要とせず、様々な印刷工程に適したデータを簡単・迅速に最適化する。
ColorSever導入前は、出力機によって得意な色・不得意な色があるのが当たり前で、出力環境を変えると求める色が出ないこともあった。しかし、ColorSeverの導入により、出力機を選ぶこなく、求める色が出力できる環境を構築できるようになり、「ColorServerを経由すると、出力機が違っても同じような色が無理なく出てくるのです」と丸山浩社長は述べている。
ColorSever導入から2年が経過した頃から、様々な活用方法が見えてきたと語る。最も衝撃的だったのが、出力機の代替えがスムーズに行えたことで、導入から7年が経過したキヤノンの「imagePRESS C7000VP」から「imagePRESS C800」に入れ替えるにあたっては、休日を含めた1日半で入れ替え作業が完了した。この時の入れ替えでは、週末の金曜日の午前中までC7000VPで通常通り仕事をこなし、午後にC7000VPを搬出。それと同時に新台のC800が搬入され、休み明けの月曜日からC800で仕事をスタートした。新台で出力したものについても、通常通りの発送・納品を行ったがクレームは一切なかった。
入れ替え前のC7000VPで主に出力していた名刺印刷は約400社2,000パターンあったが、GMGジャパンの協力のもとColorSever経由で各データの出力チャートを移植。出力機は変わっても出力作業に影響は出なかった。これにより、「出力機の代替えがスムーズに行えることが判りました」という丸山社長は、「出力機がダウンしてしても、他のどの出力機でも、カラープロファイルをもとに、思った通りの色が出力できることが実証できました」と語っている。
ColorSeverで一貫した色管理
難しい市場にも無理なく対応
現在、同社には、カラー対応機としてキヤノン「imagePRESS C800」2台、コニカミノルタの「bizhub PRESS C1100」「bizhub PRESS 70hc」「bizhub PRESS C71hc」、富士ゼロックスの「Color 800 Press」の6台と、モノクロ対応のキヤノン「imagePRESS 1135」とコニカミノルタの「bizhub PRO 1200」の2台が設置されており、複数メーカーの異機種カラーPODが、GMG ColorServer管理されている。
オフセット印刷で台紙を印刷し、部署名や名前の部分だけデジタル印刷機で追い刷りするのが大半だった名刺印刷の市場も、最近ではデジタル印刷で100%出力する市場が増加しているという。その背景には、ISOやプライバシーマーク、顔写真などを刷りこむニーズが増加し、カラー化が進んでいるという現状がある。加えて同じ企業の発注でも、顔写真を入れる人と入れない人がいるなど、レイアウトや印字内容が多様化・細分化している。
オフセット印刷で台紙を印刷して追い刷りする市場は、“台紙ありき”の市場であり、色の再現性を心配する必要はほとんどなかった、と振り返る丸山社長。そこから徐々にカラー化・多様化が進み、「知らないうちにカラーのお客様が増えています」と市場の変化を語っている。
ColorSeverを活用することで、多様化・細分化が進む名刺印刷における効率化を実現した同社では、「色再現の厳しい、他社がやりたがらない仕事ができる会社として評価されてきました。これからもその道を追求したい」という。今後もColorSeverの特長を活かした市場拡大を展望しており、ユポ紙やPP素材など紙以外への出力をはじめ、箔押しやニスコートなど後加工の対応の強化にも意欲を見せており、「付加価値の高い名刺印刷へも意欲的に取り組んでいきたい」と展望している。
有限会社エヌシークリエイト
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