DNP 企業の経営・マネジメント層対象の「組織連携コース メタバース演習」開発、メタバース上で、サイバー攻撃脅威事象発生時の対応体験を提供
大日本印刷株式会社(以下:DNP)は、企業の経営者・マネジメント層を対象に、インターネット上の仮想空間・メタバースで、複数の部門が連携してセキュリティ上の脅威事象(インシデント)発生時の緊急対応と組織間連携を学べる「組織連携コース_メタバース演習」を開発した。これに伴い、9月28日より受講申し込み受付を開始し、11月8日、サイバーセキュリティ人材育成サービス「サイバーナレッジアカデミー」の新しいコースとして提供を開始する。所要時間は2時間で、価格は55万円/回 。4名一組で受講を受け付けている。
なお、サービス提供に先立ち、9月28日、東京都新宿区のDNPプラザで開催した記者会見で同演習の背景と内容を説明した。
同演習は、受講者がCSIRT(情報セキュリティ責任者)・事業部長・広報部長の各役割に分かれて、メタバースでインシデント発生時の緊急対応をシミュレーションするもの。インシデント発生時に取るべき行動や組織連携のあり方について、場所の制約なく学ぶことができる。
受講者は、メタバースの演習室にアクセスして、サイバー攻撃で発生する様々な問題に対処していく。受講者はそれぞれの役割を活かしヒントを集め、選択肢形式で掲示される緊急時の対応を選ぶこととなる。ボイスチャット機能で実際に議論しながら対応を考えられるため、臨場感のあるシミュレーションが可能。演習のシナリオはサイバーセキュリティの第一人者である名和利男氏(サイバーディフェンス研究所専務理事 上級分析官)が監修している。
記者会見の中では、同演習の機能が説明されると共に、開発の背景が語られた。昨今、ビジネス環境において、デジタル化やクラウドサービスの利用が急速に進んでいる。これによりサイバー攻撃のきっかけとなりうる領域が拡大している。しかし企業の経営層・一般従業員はサイバーセキュリティの知識に乏しく、有事の際に適切な対応が取れないという課題がある。
この課題に対しDNPは、経営層、一般従業員にサイバー攻撃は実際に起こることと理解させる「自分ごと化」が必要であると提案。同演習を通してサイバー攻撃時の対応を学習し、有事の際の連携力を高める必要があると説明した。
記者会見の冒頭、DNP常務執行役員の金沢貴人氏は「一部のセキュリティ担当者だけがセキュリティを担うのではなく、経営層がサイバー攻撃への対策の重要性を認識し、指示できることが重要。今回発表するのはサイバー攻撃に対する組織間連携のための知識を養うための机上演習。DNPは経営層のデジタルリテラシーを高めるツールを提供していくことで、各企業の発展に寄与していく」と同演習の意義を述べた。
【組織連携コース_メタバース演習紹介サイト】
https://www.dnp.co.jp/cka/course/interorg-comm-training01.html