ハイデルベルグ ビッグデータで各国印刷市場の新型コロナ影響を可視化
オフセット印刷機メーカーのハイデルベルグ社は、Print Media Industry Climate Report (印刷業界状況報告)を初めて公開した。同社のホームページで、パッケージ・ラベル印刷市場と商業印刷市場の生産量の変化を毎週更新する。
生産量のデータは、ハイデルベルグクラウドに接続された世界中のすべての機械サイズから選択された約5,000台のオフセット印刷機から匿名化されて抽出される。約50ヵ国から集められたデータは世界地図上に色分けして表示。それぞれの色は、印刷会社の現在の生産見込みが昨年比の増減を示している。幅は1(COVID-19が生産に深刻な打撃を与えている)から8(昨年のレベル以上の生産をしている)で色分けされる。昨年と同じレベルの生産は7で示される。画面のスクロールバーで、 2020年3月16日の週から印刷メディア業界の週ごとの状況変化を見ることができる。
印刷業界状況報告=https://www.heidelberg.com/jp/ja/product/pmi_climate.jsp
過去4週間で明らかになった傾向は次の通り。
・コロナ感染拡大の間、中国における印刷生産は通常より最大80%も落ち込んだが、感染曲線が落ちるとともに回復し、今は、商業、パッケージ・ラベル両セグメントとも昨年のレベルまで戻っている。
・パッケージ・ラベルセグメントは、このコロナの時期でも、主に食品、医療関係パッケージの需要増加によって安定している。しかしながら、インドで発生しているような紙生産の停止などによる国単位での供給問題が、このセグメントに対してもネガティブなインパクトを与えている。
・印刷生産は2020年の半ばまでは安定し、昨年のレベルを上回っていたが、コロナ感染拡大の発生と国々のシャットダウンが、世界中の印刷生産量において、特に商業印刷市場に大きな減少をもたらした。