共同印刷 より読みやすい文字色と背景色の組み合わせ「配色サポートツール」を開発
共同印刷は東京女子大学の小田浩一教授との共同研究により、通知文書紙面の文字色と背景色の組み合わせを分析し、より読みやすい色を提案する「配色サポートツール」を開発した。同ツールの使用で、指定した年代にとって“読みやすい配色”となった通知文書の作成が可能となる。
クレジットカードの利用明細などの通知文書では、性別や取引状況などに応じて内容を変え、ユーザーに最適な情報を提供している。多岐にわたる内容を掲載するため紙面にはさまざまな色が用いられ、その結果、読みにくい配色となっている場合があった。また、人が歳を重ねると「水晶体の黄化」という視覚特性が出現する。透明だった眼の中の水晶体が加齢の影響で黄色く変色する現象で、高齢者に見える色は、若年者に比べて全体的に黄色くなることが分かっている。
そうした点に着目し、同社では東京女子大学の小田研究室とともに、若年者や高齢者の色の見え方と、さまざまな文字色と背景色の組み合わせにおける文章の読みやすさを検証。“読みやすさ”は、文字色と背景色の違いだけではなく、年代ごとに変化する色の見え方によっても変化することを見つけ、文字と背景の色情報から“読みやすさ”を評価する関数を導き出すことに成功した。
「配色サポートツール」はその関数を利用して開発。通知文書の文字と背景の色情報を分析し、使用する出力機の色再現領域と合わせることで、色の組み合わせによる文章の読みやすさをより正確に判定し、色を変換する。現在対応しているのは通知文書の印刷用データ(PDF)のみだが、引き続き、他の画像形式を分析するツールの開発に取り組んでいく。
「配色サポートツール」は、1 月20~22 日に東京ビッグサイトで開催される「化粧品開発展」に出展される。