キーポイントインテリジェンス POD市場コンファレンス開催で世界のデジタル印刷を分析
キーポイントインテリジェンス主催による「プロダクションデジタル印刷/POD市場コンファレンス2018」が、11月14日、JR品川駅前の東京コンファレンスセンター・品川で開催された。セミナーでは、同社調査に基づく、世界のプロダクションデジタル印刷市場の動向が解説された。
それによると、2008年の金融危機の後、比較的安定的に推移していた印刷及び紙メディア市場は、2011年から2014年にかけて下降傾向をたどったが、2014年には下げ止まった感があるとした。
一方、印刷業務関わる事業者数や従業員数は減少しており、売上維持のためには効率アップをする必要に迫られている状況にあると分析している。
POD(Print On Demand)市場について、システムの出荷台数の推移でみると、2017年は前年比ではライトプロダクション(A4もしくはレターサイズ時:1月当り最大生産枚数 101~300k)と、マックスプロダクション(同 10M以上)は増加したが、ミッドプロダクション(同 301~999k)、ハイプロダクション(同 1.0~1.89M)、ヘビープロダクション(同1.9~10M)は減少する結果となった。
しかし、2017年から2022年にかけての予測では、印刷の効率を上げることが重要になっていることや、ライトプロダクション導入先のアップグレード化のニーズなどが期待でき、ミッドプロダクションは盛り返す と見込んでいる。
全体として、各システムについてカラー機とモノクロ機では動きが異なり、カラー機は増加し、モノクロ機は減少している。さらに新興国での出荷台数は伸びており、今後も期待できる市場だとした。
同社では、カテゴリー別にみた2017年のシステムの導入シェアについても報告している。それによると、ライトプロダクション市場については、1位は依然として富士ゼロックス(ゼロックス)がつけており、2位リコー、3位コニカミノルタで、前年と変わりなかった。
ミッドプロダクションは、1位キヤノンで、2位は富士ゼロックス(ゼロックス)とリコーが同率でつけている。しかし、従来とは少し異なる動きが見られた分野でもあったとしている。
ハイプロダクションについては、1位がリコーとなり、他社に大差をつけての首位となった。次いで富士ゼロックス(ゼロックス)とキヤノンが同率3位という状況である。
ヘビープロダクションでは、1位HP、2位富士ゼロックス(ゼロックス)、3位キヤノンという順位だが、市場の多様性が進んでいると分析している。
インクジェットシステムも含むマックスプロダクションについては、1位キヤノン、2位リコーとなり、3位にSCREENが上がってきている。