DNP 世界遺産 仁和寺 国宝「金堂」のバーチャルプロダクション向け3DCGデータの提供を開始、XR技術で文化資源の魅力を拡張
大日本印刷株式会社(DNP)は、「世界遺産 仁和寺 国宝『金堂』」の高精細3次元コンピューターグラフィックス(3DCG)データを制作し、バーチャルプロダクション用背景データとして3月29日から提供を開始している。
バーチャルプロダクションは、スタジオの大型スクリーン等に3DCG等の仮想的な背景を投影し、その前に人や物を配置して撮影することで、現実の世界のような映像をつくり出す手法。現在、同社には「神田明神(東京都千代田区)」「銀座四丁目交差点(東京都中央区)」の高精細3DCGデータのラインアップがあり、今後はバーチャルプロダクションに加え、メタバースでのイベントや教育などの多用途で3DCGデータを活用し、文化資源の持続的な保護と魅力の発信を両立させて地域を活性化する取り組みなどを展開していく。
DNPは、リアルとバーチャルの空間を融合するXR(Extended Reality)の技術を用いて新しい体験と経済圏を創出する「XRコミュニケーション®事業」を推進している。その一環として、バーチャルプロダクション用背景データを制作・提供している。
今回制作した仁和寺「金堂」3DCGデータは、ソニーピーシーエル株式会社(ソニーPCL)が運用する高品質デジタル背景アセットライブラリーサービス「BACKDROP LIBRARY」で公開・ライセンス販売する。
仁和寺「金堂」3DCGデータの特長
仁和寺「金堂」は慶長年間(1596~1615年)に造営され、後に仁和寺に移設された日本に現存する最古の紫宸殿(ししんでん=内裏の正殿)。DNPは、文化財のアーカイブ事業などで培った独自技術で、宮殿建築ならではの細部の装飾や、時を経た外壁の木質など、文化財が持つ美しさや歴史的価値を3DCG上で精密に表現した。
世界遺産である仁和寺「金堂」の画像データをバーチャルプロダクションの背景にすることで、臨場感あふれる希少な映像の制作が可能になる。映像の視聴者が現地を訪れたような体験をすることで、仁和寺「金堂」の美しさや歴史的価値に対する理解と関心を深めることにもつながる。
DNPは、国内外で3,000件以上の豊富な計測実績を持つ協力会社と連携し、同社保有の“点群データ”を活かしたバーチャルプロダクション用データを提供する。同社の計測済み“点群データ”を活用することで、制作工程の負荷を低減し、背景(ロケーション)データの早期提供を可能にする。
DNPのXRコミュニケーション事業 https://www.dnp.co.jp/biz/solution/products/media.html
ソニー「PCLBACKDROP LIBRARY」https://www.sonypcl.jp/kiyosumi-shirakawa/backdrop-library.html