電通グループ 「世界の広告費成長率予測」の最新値を発表 日本は広告市場世界第3位・2025年3.8%成長の見込み

電通グループは、世界56市場から収集したデータに基づき、「世界の広告費成長率予測」の最新値を発表した。同予測は、毎年2回を基本として改定しており、今回は2024年、2025年、2026年予測の更新と2027年の新規予測を行った。日本は世界第3位の広告市場であり、今後の強い経済見通しに伴うマーケティング活動の活発化が想定され2025年は3.8%の成長を見込まれている。

世界の広告費成長率予測は、2024年10月までに、各市場における専門的な知見を取り入れて作成されている。対象媒体は、デジタル、テレビ、新聞・雑誌、OOH(屋外/交通)、オーディオ、シネマ。広告費は、交渉によるディスカウントやエージェンシー・コミッションを差し引いた金額で、現地通貨建てで提供され、全世界および地域の数値は2024年9月の平均為替レートで米ドルに換算されている。
同予測は実績値と最新の予測値はすべて恒常為替レートに基づき修正。なお、いくつかの地域における高インフレによる調整を過去データに遡及して適用している。

■2024年の世界の広告費成長率は6.8%を予測、主要市場における成長率上方修正などが寄与

2024年の世界の広告費成長率予測は、前回2024年5月発表の予測から1.8ポイント上方修正の6.8%となり、市場規模は7, 724億米ドル(約116兆円※)となる見通し。上方修正の主な要因は、主要市場である米国、英国、フランス、ブラジルにおける広告費支出の見通しが改善したため。また、デジタル広告が二桁成長(10.7%増)に回帰し、全体に占める構成比が60.8%に達することや、世界的なスポーツ及び政治イベントの影響も反映された結果となった。
地域別では、米州(8.0%増)、EMEA(6.1%増)、日本含むアジア・パシフィック(5.4%増)となり、市場規模の上位5カ国は2023年と変わらず、米国、中国、日本、英国、ドイツとなる見通し。

■2025年の世界の広告費成長率は5.9%を予測、世界経済の成長率3.2%を上回る見込み

2025年の世界の広告費成長率予測は5.9%、市場規模は8,177億米ドル(約123兆円※)と見込まれている。引き続きデジタル広告が成長を牽引し、特にリテールメディア(21.9%増)、ペイドサーチ(6.7%増)、ペイドソーシャル(8.7%増)が大きく成長する予測。また、インダストリー別では、特にファイナンス(6.7%増)、製薬(5.8%増)、旅行・運送(5.5%増)において大きな成長が予想される。対前年比では、2024年に寄与した大型イベントが予定されていないため、成長率は減少するが、依然として世界経済の成長率を上回る見込み。

■2026年・2027年も堅調な成長を予測、アルゴリズム主導の広告が成長を大きく牽引

2026年の世界の広告市場は、5.9%増の8,662億米ドル(約130兆円※)を予測している。また、2027年も同様に5.8%増となる堅調な成長を見込み、市場規模は9,160億米ドル(約137兆円※)になる見通し。なお、総広告費に占めるアルゴリズム主導の広告の割合は、2024年には59.5%、そして2027年には79.0%にも達する見通しであり、今後のメディア戦略に大きな影響を与え、市場の成長を大きく牽引する。

<世界の総広告費の推移>

≪2025年の世界の広告市場(媒体別)について≫

媒体別では、デジタル広告が全体の広告費の62.7%を占め、特にリテールメディア(21.9%増)、ペイドソーシャル(8.7%増)、プログラマティック(11.1%増)、ペイドサーチ(6.7%増)が高い成長率を見込まれる。
テレビ広告は0.6%の増加、全体の広告費に占める割合は20.6%となる見込み。ブロードキャストにおける広告支出が減少傾向となる中、コネクテッドTVは18.4%増の成長予測となり、今後も継続して二桁成長が予想される。 減少傾向にある新聞・雑誌はマイナス2.5%の成長となる見通しで、広告費全体に占める割合も5.5%にまで低下すると予想。また、それ以外の媒体では、OOH(屋外/交通)、オーディオ、シネマが、それぞれ3.9%、1.8%、3.2%の成長を予測している。

≪2025年の日本の広告市場動向について≫

日本は世界第3位の広告市場であり、2025年は前回2024年5月発表の予測(2.5%)から1.3ポイント上方修正した3.8%の成長を見込んでいる。今後の強い経済見通しに伴うマーケティング活動の活発化が想定され、デジタル、OOH、ラジオ、テレビの各分野で増加する予測。

※1米ドル=約150円で換算。

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