電通 新型コロナウイルスに対する日米意識調査比較、危険性の感じ方に違いも
電通は、新型コロナウイルスに関する日米の生活者における定点意識調査を行っている。5月下旬に全国20〜69歳の男女1,000名を対象に行われた第3弾「COVID-19生活者意識ナビゲーター(第3回日米比較編)」の調査結果を発表した。
同調査が行われたタイミングは、全国で緊急事態宣言が解除された数日後にあたる。
今回の調査の主な結果は、生活者心理は、日本では「順応・適応」以降の段階が前回から9ポイント増えて51%となった。(電通調査では、ステージ1「混乱・動揺」、ステージ2「変化への対応」、ステージ3「順応・適応」、ステージ4「収束の兆し」、ステージ5「収束後の生活へ」と分類して心理状態を図っている)
これは米国の49%を上回っており、確実に収束へと気持ちが向かっている結果となった。
生活者のネガティブに振れた感情については、前回調査時点よりも前向きになってきており、「ストレスを感じる」という項目以外は米国に比べてポジティブな心理状態になってきている。それ以外の項目とは、「孤独」「悲観的」「時間を持て余している」「周囲への怒りを感じる」「状況に圧倒されている」「無力感を覚える」がある。
なお、気になっている事項に対するスコアをみていくと、「大切なイベントの中止」以外の「収束時期」「医療崩壊」などの懸念は減少。一方で「日本の景気」に対する懸念が首位に浮上した。
米国では、「米国の景気」が最も高いが、「家族や友人の新型コロナウイルス感染」「医療崩壊」に対する懸念も以前として高い。
外出時に感じる危険性については、日本は米国以上に高い項目が多く、「行楽・レジャー」「職場や地域などの行事」「運動・エクササイズ」を行っていない割合が高い。
「今はしない・行わない」割合について比較すると、「行楽・レジャー」は日本81%:米国44%、「職場や地域などの行事」は日本75%:米国65%、「運動・エクササイズ」は日本54%:米国32%といった状況で、日米の意識の差がある。特に、「行楽・レジャー」「運動・エクササイズ」は米国の方が「特に問題なく行っている」割合が20ポイント程度高い。
「外食」と「子供の用事」については、日米ともに「今はしない・行わない」が6割以上と高く、両国間にあまり差が見られない。
その他の意識調査の結果として、新型コロナウイルスに対する心配レベルについては、「非常に心配している」と「心配している」人の合計は、第1回が88%、第2回が76%、第3回が71%と少しずつ減少。
「外出時に感じる危険性」では、米国では52%なのに対し、日本は80%と日本の方が危機意識の高い傾向がみられた。こうした意識の違いは、景気回復に向けた動きにも影響しそうである。