電通 『情報メディア白書2021』を発刊、コロナ禍のメディア活用も分析
電通は、『情報メディア白書2021』をダイヤモンド社から発売し、今後の電子書籍市場の拡大を視野に入れて電子版も販売している。
2020年は、日常生活や社会活動が、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた1年であり、情報メディア産業や人々のメディア接触行動も変化を余儀なくされた。この状況を受け、同書では、「コロナ禍の情報メディア産業」の特集を組んでいる。その中で、人々のメディア接触行動がどのように変化したかをデータや図表とともに紹介しているほか、情報メディア各産業の動きなどもまとめている。
コロナ禍における生活行動とメディア接触行動の様子については、2020年6月1日-7日に調査を行っている。
それによると、個人全体(12-69歳)の1日(週平均)のうち「起床在宅」「睡眠」「外出」にあてられた時間について、2019年と比べると、2020年では外出時間は2時間39分減り、代わりに起床在宅時間が2時間22分増えている。睡眠時間もやや増えているが、若年層で特徴的に見られる傾向となっている。
自宅で過ごす時間が増える中、人々がどのようにメディアに接していたのかについては、個人全体の1日あたりのメディア接触時間(週平均)だと、複数メディアへの同時接触の可能性はあるものの、2019年より1時間以上増え、延べ6時間10分となっている。
内訳を見ると、ほとんどのメディアへの接触時間が2019年より増えた結果となっている。その中で特に目立つのは、モバイル経由のネット、PC・タブレット経由のネットの利用時間と分析している。コロナ禍以前からインターネットは自宅においてモバイル経由で最もよく利用されていたが、その傾向が在宅時間が増えた2020年も同様で、特にモバイル経由のネット利用時間は飛躍的に増えている。
一方、テレビは、リアルタイム視聴時間が増え、録画再生視聴時間は微減傾向となった。要因のひとつに在宅時間増でリアルタイム視聴が可能となったことが挙げられる。
1日の流れの中で、メディアはどのように利用されているのかについて、朝5時から始まる24時間(週平均)の個人全体を、「起床在宅」「睡眠」「移動」「外出」の行為者率と各メディアへの接触率(60分単位)でみている。
それによると、外出先でのメディア接触率は、2020年は正午頃のモバイル経由ネット利用がやや目立つ程度だが、2020年は日中にかけて、起床在宅率の大きな谷がなくなり、多くの人が自宅に留まっていた様子がうかがえる。
また、高校生の1日(週平均)の様子についてもまとめている。調査が行われた2020年6月のリモート授業や休校措置などにより、日中でも起床在宅率が6割を超えた高校生はコロナ禍において生活様式が特に大きく変わった世代と言え、これまで見られなかったメディア接触行動が自宅内で起きていると分析している。
例えば、正午にこれまでなかったテレビ視聴の山が新たに出現し、昼食時にテレビを見ることが生活行動の一環になっている。
一方、モバイル経由のネット接触率の1日を通した高さは極めて特徴的になっている。高校生において、2020年はすべての時間帯においてテレビと同等もしくはそれを上回る水準でモバイルネットに接触している。
このように、メディア接触に充てられる時間が増えれば、情報やエンターテイメントに対するニーズを満たす。そのため、モバイルなどその人にとっての最適なスタイルを通してメディアは従来トレンドを超える勢いで利用されることが分かる。コロナ禍による生活様式の変化は、情報メディアに対するニーズを浮き彫りにしたと指摘している。
『情報メディア白書2021』
巻頭特集Iでは「コロナ禍の情報メディア産業」と題し、Part1「コロナ禍における生活とメディア接触の変化」では新型コロナウイルスが人々の生活やメディア接触行動をどのように変えたかを明らかにした。コロナが情報メディア産業に与えた影響について、Part2「全記録 月表2020/2~12 コロナ禍と情報メディア各産業の動き」としてまとめている。
巻頭特集Ⅱでは、地上波同時配信、5G、メタバース、ショートムービーサービスなどの「新しいメディアの潮流」について詳しく解説している。
その他、13分野にわたる情報メディア産業(新聞/出版/音楽/劇映画・映像ソフト/アニメーション/ゲーム/ラジオ・テレビ/衛星放送・ケーブルテレビ/通信/オンラインサービス/広告/通信販売/イベント)について、詳細なデータとグラフで詳しく業界動向を解説している。
発行元:株式会社ダイヤモンド社
書籍価格:1万6,000円(税抜)
◎情報メディア白書2021【電子版】について
特別価格:9,800円(税抜)
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