電通 「2022年 日本の広告費」発表、社会のデジタル化を背景に好調な「インターネット広告費」が牽引し、全体で7兆円規模に
株式会社電通は、「2022年 日本の広告費」を発表している。それによると2022年(1~12月)日本の総広告費は、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の感染再拡大、ウクライナ情勢、物価高騰など国内外の様々な影響を受けつつも、社会のデジタル化を背景に好調な「インターネット広告費」の成長に市場全体が支えられ、通年で7兆1,021億円(前年比104.4%)となった。
【2022年 日本の広告費の概況】
2022年の総広告費は通年で7兆1,021億円(前年比104.4%)となり、コロナ禍前の2019年を超え、1947年に推定を開始して以降、過去最高となった。上半期は、コロナ禍からの回復に伴う行動制限の緩和や、北京2022冬季オリンピック・パラリンピックなどにより好調。下半期は、ウクライナ情勢や欧米の金融政策の転換による経済環境の大きな変化、新型コロナの再拡大などの影響を受けたものの、社会・経済活動の緩やかな回復に伴い「外食・各種サービス」「交通・レジャー」を中心に広告需要が高まった。
特に、社会のデジタル化を背景に、好調なインターネット広告費によって広告市場全体が成長した。
インターネット広告費は、3兆912億円(前年比114.3%)となり、2兆円を超えた2019年からわずか3年で約1兆円増加した。インストリーム広告を中心とした動画広告需要は前年に続き高まっており、デジタルプロモーションの拡大も市場の成長に寄与した。好調なインターネット広告の伸長により、2022年の総広告費は増加した。
テレビメディア放送事業者が主体となって提供するインターネットメディア・サービスにおける広告費(テレビメディアデジタル)のうち、テレビ番組の見逃し配信やリアルタイム配信サービスなどインターネット動画配信の広告費を推定範囲とする「テレビメディア関連動画広告費」は、350億円(前年比140.6%)と高い伸びを示した。コネクテッドTV※の利用拡大、大型スポーツ中継や話題性のあるドラマなど企画・編集力の高い番組コンテンツの充実などを背景に、広告需要が高まった。
【媒体別広告費の概況ポイント】
・マスコミ四媒体広告費は2兆3,985億円(前年比97.7%)。
「ラジオ広告費」は増加したが、「新聞広告費」「雑誌広告費」「テレビメディア広告費」は減少した。
・インターネット広告費は、3兆912億円(前年比114.3%)。前年比114.3%の二桁成長。
「インターネット広告媒体費」は2兆4,801億円(前年比115.0%)で、「テレビメディア関連動画広告費」は前年に続き350億円(同140.6%)と大きく増加。
・プロモーションメディア広告費は1兆6,124億円 (前年比98.3%)。