電通 「ジャパンブランド調査2019」で、日本は旅行したい国No.1に
電通は、日本の文化や強みを生かした商品やサービスを海外展開する「クールジャパン」関連事業の一環として、2018年12月に20カ国・地域で「ジャパンブランド調査2019」を実施し、その結果について発表している。
全社横断プロジェクト「チーム・クールジャパン」が実施した同調査は、2011年より対象エリアやサンプル数、設問項目を追加しながら継続的に行っているもので、今年で9回目となる。
それによると、20カ国・地域全体で、『日本』は「行きたい旅行先」でNo.1となったほか、2025年大阪・関西万博の認知度は約5割に達し、「見に行く予定・見に行きたい」人は4割に上る。 一方、訪日の阻害要因については、「費用」「言葉」「距離」がトップ3となるなど、課題も見えている。
■「日本」は行きたい旅行先でNo.1に
競合国と日本を横並びにし、行きたい国・地域を質問したところ、全体では日本がトップとなった。訪日意向は昨年より微増(昨年:76.0%→77.4%)し、引き続き高い傾向となった。最もスコアが高いのは香港で、アジア諸国が上位を占めたが、昨年と比較すると欧州エリアの国での意向が高まっている。
■2025年大阪・関西万博の認知度は約5割
昨年開催が決まった2025年大阪・関西万博については、既に認知が約5割に達し、「見に行く予定・見に行きたい」人も約4割だった。2020年東京オリンピック・パラリンピックの後も、海外から多くの外国人観光客が訪日することが見込まれる。
■訪日の阻害要因は費用と言語がトップ2
訪日への阻害要因は「旅行費用が高い」と「言葉が不安」がトップ2となった。東アジアでは「震災の影響(放射能など)が心配」と「地震や豪雨など、自然災害が起きるのが心配」が上位に上っている。
■日本製品へのイメージは「ハイテク」「高性能」「信頼できる」
日本製品のイメージを聞くと、トップ3は「ハイテク」「高性能」「信頼できる」となった。2015年と比較すると、以前はより特徴的に高かった「ハイテク」「高性能」はスコアダウンし、代わりに「こだわりのある」(2015年対比+5.1pt)、「他にはない(Only one)」(同+4.4pt)のイメージが強まっている傾向となった。
「こだわりのある」のスコアが高まっているのは、香港、韓国、シンガポール、インドネシア、インドなどアジアの国・地域と、ロシアでも大きく高まっている。
「他にはない(Only one)」のスコアについても、香港、台湾、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドなどアジアの国・地域で高まっている。加えて、アメリカ、カナダ、イギリス、フランスなど欧米の国々でも高まりを見せている。
■今後使ってみたい日本ブランドは「健康食品・飲料」「化粧品」「医薬品」
日本のブランドのもので経験・興味ともにスコアが高いカテゴリーは「TV、オーディオなどのAV機器」「自動車、バイクなどの輸送機器」など、従来から日本が強いと言われてきたものが突出して高い。
今後、使ってみたい日本ブランドのカテゴリーでは、この2つのカテゴリーの他に、「健康食品・飲料」「化粧品」「医薬品」が上位に入る。なお、経験、興味、意向のすべてにおいて上位にランクインしている「健康食品・飲料」に関して関心が高い国・地域は、香港、タイ、フィリピンで5割を超える。昨年よりも関心が高まっている国・地域として、香港 、台湾、イタリアで、世界的な健康ブームを背景に今後も期待できるカテゴリーとなっている。