近畿小森会 ”SHINKA”のテーマ、理念を共有
KOMORI印刷機のユーザー会「第26回近畿小森会」が10月6日、大阪市のリーガロイヤルホテルで開催され、「SHINKAとそれぞれの革新(イノベーション)」を統一テーマに有益な情報を提供した。会場には、近畿各県から120社、212名が参加した。
冒頭、岩田克彦代表世話人(大同印刷)があいさつにたち、「4月に近畿小森会の代表世話人に就任した。皆様と共に小森会の発展に力を尽くしたい。印刷出荷高は1997年の8兆8,000億円をピークに5兆3,000億円まで減少し、1984年の水準まで下がった。世界の技術情報を取り入れていくことが求められているが、小森会が役割を果たしていくことで会員の発展に繋げたい」と述べた。
続いて浅野健小森会会長(金羊社)が「近江商人道の“三方良し”はCSRそのものである。大阪の商人は儲けた利益で橋や道路を作ってきたという風土がある。そして印刷の機能は情報を外に向かって発信している。インバウンドに関わる地域の情報を世界に発信することで近畿圏が深化するのではないだろうか。SHINKA、イノベーションに取り組んでいただきたい」と力強く語った。
恒例のKOMORI基調報告では、小森コーポレーションの小森善治会長が国内外の印刷市場の動向を解説した。
国内総広告費は6兆円を回復し4年連続上昇しており、DM、フリーペーパー、POPは底堅く、ネットと紙媒体がコラボするメディアミックスが重要になると説明。世界の印刷市場では、米国の印刷市場が上昇傾向にあり、デジタルから紙への回帰も見られ、DM印刷が堅調だ。若い世代ですら紙面の広告に関心を払っていることを紹介した。また、世界のデジタル印刷機の市場動向については、「スピード、大判化、コストでインクジェットが伸び、オフセットとデジタルの融合による最適生産の実現が課題となる」との見通しを述べた。
引き続き行われた講演会では、双日総合研究所のチーフエコノミスト・吉崎達彦氏が「当面の国際情勢と日本経済」と題して講演した。