自民党・中小印刷議連 官公需取引、知財権などで意見交換
自由民主党・中小印刷産業振興議員連盟は5月26日、東京・永田町の自民党本部で総会を開き、全日本印刷工業組合連合会、経済産業省、総務省を招いて意見交換した。
全印工連は昨年5月、中小印刷産業振興議員連盟の総会で、①資材値上げの価格転嫁の確実な履行、②地域の中小企業・小規模事業者等の積極的活用、③低価格競争防止策の導入、④財産権の保護(印刷データ、イラスト、写真等の権利の無償譲渡を求められるケースあり)の4項目を要望事項として提出。今回の総会では、その対応状況について、経済産業省が説明した。
①については、印刷発注にあたって、適正な単価設定のために参照することが望ましい情報を基本方針の解説に記載。②は地域の印刷業者と優先的に契約する自治体の発注事例を記載。今後、、より分かりやすい事例集の作成を検討する。③については、印刷を含む役務契約(製造その後か請負)についても、最低制限価格制度等の対象となり得ることを、基本方針及びその解説に明記した。④の財産権の保護では、平成28年度委託調査事業として「中小印刷業の知財活用に関する調査事業」を実施。官公需契約の知財取扱いに関する問題点を整理した。
今後の対応としては、官公需の印刷契約で、受注者の著作権の財産的価値を認め、発注者の著作権の利用目的を明確にする「コンテンツ版バイ・ドール契約」を推進。7月に閣議決定される官公需法に基づく「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」に中間生成物を含む著作権の財産的価値等への配慮を盛り込んでいく。
意見交換では官公需取引の改善の実効性や、印刷物の知財に関する社会的周知の必要性などが指摘された。
また、全印工連は2019年を目処に進む、天皇の譲位を受けて、カレンダー印刷係る祝日や元号の決定に関して、今年12月から遅くとも1月までに発表して欲しいと要望。経済産業省に対しては、中小印刷産業個別の産業ビジョンまたは成長戦略の策定を要請した。