経産省 ESG投資調査で回答95%の機関で投資判断に活用

経済産業省はこのほど、「ESG投資に関する運用機関向けアンケート調査」を実施し、投資家のESG投資等に対する取り組み、動向について調査してまとめた。

同調査によると、アンケートに回答があった運用機関(48社/運⽤総額約3,988兆円)のうち、95%以上がESG情報を投資判断やエンゲージメントに活⽤していることが分かった。ESG情報の活用目的としては、リスク低減(97.9%)、リターンの獲得(87.5%)が多い。ESG要素の中で、投資判断に考慮する内容としては、E(環境)の「気候変動」が約80%と最も重視されている。

一方、運用機関の85.4%は、「企業のESG情報の開示が不十分」であり、ESG評価の障害になっていると認識している。

運用期間が重視する国際的なイニシアティブ等では、PRI(国連責任投資原則、95.8%)、TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures; 気候関連財務情報開示タスクフォース、93.8%)、SDGs(89.6%)が代表的なものとして挙がる。

⽇本企業のTCFD賛同数の増加は⼀定の評価を受けているが、その情報開示は限定的で、さらなる情報開示が求められている。運用機関自身のTCFD開示も40%程度に留まるという。

TCFDを重視する運用機関では、TCFDに関する開示をESG評価の⼀部として組み入れ、投資判断やエンゲージメントの⼀部に活用している。

2019年10⽉にTCFDコンソーシアムが策定した「グリーン投資ガイダンス」は、運用機関での認知度が高く(87.5%)、エンゲージメントや企業分析、社内外でのTCFDに関する啓蒙等に活用することが想定されている。

「ESG投資に関する運⽤機関向けアンケート調査」

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