第65回ジャグラ文化典高知大会 全国から385人が参加、新たな文化典の形示し、中小印刷業の明るい未来構築を呼びかける
一般社団法人日本グラフィックサービス工業会(ジャグラ)は6月9日から11日の3日間、高知県高知市のホテル三翠園をメイン会場に「第65回ジャグラ文化典高知大会」を開催した。全国から385人が参加し、 『揺れる!沸き立つ!ジャグラグラグラ~』をスローガンに掲げた大会ではジャグラ総会、マスターズ総会、記念式典、「おきゃく」懇親会に加えて参加型の討論会、6社の会社見学会、アドビ勉強会、ジャグラコンパクトDX発表会などが行われ、新たな文化典と全国大会の形を示した。
メインの文化典式典は近森謄写堂の近森恵美氏が司会を務め、国歌斉唱の後、山中克彦運営委員長は「高知と言えば坂本龍馬。ジャグラにおいては高知大会が変革の始まりとなる。業界発展のために語らおう」と歓迎の言葉を述べた。
続いて岡本泰会長が「コロナ禍で中止となった高知大会を仕切り直して盛大に開催できることは、実行委員会、会員、関連業者の支援の賜物である。ジャグラは高知大会を起爆剤に速度を上げてグラフィックサービス業へと転換し、中小印刷業の明るい未来を築いていけるよう邁進する」と主催者挨拶を述べた。
来賓からは、高知県の濱田省司知事、高知市長の岡崎誠也市長が祝辞を述べ、大会成功への期待が寄せられた。発展功労賞の熊谷正司氏(株式会社くまがい印刷、秋田)、岡澤誠氏(有限会社中溝グラフィック、神奈川、前副会長)、業界功労賞の中越忠男氏(株式会社伸光堂、高知、前地協会長)をはじめ、永年協力賞、特別功労賞、優良従業員、作品展受賞者らを表彰して栄誉を讃えた。最後に山中運営委員長から岡本会長に大会旗が返還され、次回のジャグラ文化典を開催する広島県支部の松本仁志支部長に託された。
大懇親会「おきゃく」は、近森純一郎副実行委員長の司会で進められ、坂本圭一朗実行委員長のオープニングイベントと歓迎の挨拶、岡本会長の挨拶、一般社団法人日本印刷産業連合会の小澤典由専務理事の祝辞に続き、全日本印刷工業組合連合会の鳥原久資副会長の音頭で乾杯し、懇親会に移った。途中、よさこい踊りのアトラクションや第66回ジャグラ文化典広島大会のPRなどで盛り上がり、三宮健司副実行委員長が中締めして高知大会の盛況を祝った。
コンパクトDX実践化へ自動化事例、地域活性化アプリの活用
ジャグラは6月10日、「絆をカタチに今こそグラフィックサービス業へ転換しよう」をスローガンに高知大会の式典前に第58回定時総会を開催した。
総会の冒頭に実行委員長の坂本圭一朗高知県支部長が「この日を待ち焦がれていた。2020年のコロナ禍による中止から2023年に高知大会の開催を決定してから、少ない実行委員会で準備を進めてきた。従来の文化典の在り方を見つめ直し『変革は辺境から』という意気込みでオプション企画を盛り込んだ大会となった。ジャグラや自社の最大限の可能性を本音で熱く語り合おう」と歓迎の言葉を述べた。
続いて岡本会長は「ジャグラは今期、“創注”をテーマにジャグラをグラフィックサービス業に変える施策をスタートした。コンパクトDXは先のJP展に出展され、入会する会社もあった。7月のSOPTEC、9月のHOPEでもブースを設け、ジャグラの存在を印刷業界で高めたい。高知大会をジャグラの絆を深める大会としたい」と今後の方向を示した。
総会では58年度事業報告、決算報告、59年度事業計画、予算案を原案通り承認した。59年度事業で前年度にスタートしたジャグラDX事業では、生産性向上委員会がスモールスタートの自動化の事例、MIS研究委員会が単品損益管理とスループット調査の啓蒙活動、地域活性化委員会がジャグラコンパスのアプリをリリース、業態進化委員会が新たなビジネスツールの情報発信等の事業を実施する。
総会終了後にはジャグラコンパクトDX発表会が行われた。生産性向上委員会委員長の宮﨑真氏、MIS研究委員会委員長の稲満信祐氏、地域活性化委員会委員長の齋藤秀勝氏、業態進化委員会委員長の中村盟氏がそれぞれ委員会活動を報告した。業態進化委員会は創注と事業領域拡大のツールを検討。地域活性化委員会は防災市場、緯度情報管理と国土地理院の指定緊急避難場所を組み合わせた「ジャグラコンパス」の開発などコンパクトDX事業の進捗状況を報告した。岡達也副会長が今後の計画を示し、最後に「絆をカタチに、今こそグラフィックサービス業に転換しよう」とジャグラのスローガンを全員で宣言した。
「高めた愛を、広げよう」2024年の広島大会に向けて
来年の第66回ジャグラ文化典広島大会は2024年6月22日に広島市で開催される。
広島大会の松本仁志運営委員長(ジャグラ広島県支部長)と瀬尾淳実行委員長は高知大会の総会で、「2024ジャグラ文化典広島大会に向けて、高めた愛を、広げよう」と招請の言葉を述べた。
松本運営委員長は「被爆地広島からジャグラの全国の会員をお迎えしたい」と挨拶。懇親会では広島県支部と中国地協の会員が武者鎧の姿で登壇した。瀬尾淳実行委員長は「広島の地で自らの企業や環境、業界の事を大いに語り合って頂きたい。広島は機械産業が発達した影響で多様な歯車の技術が蓄積されている。自らの環境に合った新しい歯車を見つけることを願っている」と広島大会の意義を強調して参加を呼び掛けた。