産業能率大学 2020年度新入社員はテレワークや時差出勤への意識高めで、対面が苦手
産業能率大学 総合研究所は、新入社員の働く意欲や新社会人としての意識、将来の目標などに関するアンケートを実施し「2020年度 新入社員の会社生活調査」としてまとめた。それによると、就職活動がかなり大変だったという会とは35.4%で過去最高になり、満足度も過去最低の低さとなった。テレワークや時差出勤については高い関心を寄せているほか、勉強意識が高いということも明らかとなっている。
なお同アンケートでは、「副業」に対する考え方や雇用制度への意識など、定番となっている質問も実施している。詳細はは、報告書で確認できる。
売り手市場となっていた新卒採用環境が、今年度は大きく変化しているが、就職活動状況について尋ねたところ、「かなり大変だった」という答えが35.4%となり、2011年度と並んで過去最高となったた。また、就職活動の結果に満足しているかについては、「たいへん満足」が27.8%で過去最低で、2つの調査項目から、今年の就職状況が厳しかった様子がうかがえる。
一方、会社にテレワークや時差出勤の制度があった場合に利用したいかについては、テレワークを「利用したい」と「どちらかといえば利用したい」を合わせると約85%が利用したいと回答。時差出勤についても、両回答を合わせると約94%が利用したいと回答している。
また、1か月間に許容できる残業時間については、「1~10時間」が19.2%、「11~20時間」が32.1%で、いずれも過去最高となった。この結果、「0時間」(1.3%)を含め、“20時間まで”とする回答が約53%となり、初めて過半数を占めました。
残業時間が減ることで自由な時間が増えるが、業務時間外に勉強したいか尋ねたところ、約91%の新入社員が勉強したいと答えた。この内、「全額自己負担でも勉強したい」は20.5%で前年度(13.6%)よりも大幅に増えている。「会社から費用の一部援助があるなら勉強したい」も38.5%で前年度(32.7%)を上回り、自分を磨くためには費用の自己負担を厭わないとの意識が高くなっている。勉強したい理由として、「ビジネススキルを磨きたい」(53.6%)や「教養を高めたい」(52.2%)などが上位に上がっている。
なお、会社生活におけるコミュニケーションで自信のない(不安がある)ことについて尋ねると、「社外に対する電話対応」が82.1%、同じく「社外との対話・面談」が64.1%で、社外との折衝に不安を大きく感じている。そうしたことから顧客への報告や連絡手段として最も使いやすいのは、「メール」との回答が一番多く、47.4%と半数近くを占めた。