理想科学工業株式会社は、8月4日、同社の高速インクジェットプリンター314台が、9月から福岡市立の小学校・中学校・特別支援学校、全224校で使用するプリンターとして福岡市教育委員会に採用されたことを発表した。

福岡市教育委員会では、福岡市内の学校全体の年間総プリント枚数が約２億枚にも上るため、教職員の負担軽減、印刷物のカラー化による学習効果の向上、教育委員会による管理の一元化が課題となっていた。理想科学は長年、福岡市立の学校の印刷室に導入されているデジタル印刷機「リソグラフ」のサポートを通じて、学校のプリンター活用状況を把握しており、これらをもとに『学校の働き方改革』に貢献する提案をまとめた。

提案では、始業前と休み時間にプリント作業が集中すること、B4やA3の大きな用紙サイズの印刷や両面印刷の頻度が高いこと、ステープル留めの作業が多いことなどから、高速プリントと印刷後処理加工の自動化が不可欠と分析。環境省が定める「環境に配慮したOA機器調達に関するガイドライン」に基づき、福岡市教育委員会に学級数・教職員数などの学校規模によるニーズを満たすプリンターの最適配置を提案した。

理想科学はプリンター選定にあたり、福岡市立の学校で高速インクジェットプリンターの試験導入を実施した。利用者からは「プリント速度に加え、会議資料をステープル留めできるので、プリント作業時間が大幅に軽減した」、「プリント作業が効率化し、働き方改革につながった」、「カラー印刷で学習効果が期待できる」など、好意的な反応を受けた。

また、今回、福岡市教育委員会には学校からの連絡を電子化し、保護者と学校をつなぐデジタル連絡ツール「スクリレ」も提案。ペーパーレス化推進と共に、教職員の負担軽減・残業削減に貢献した。