東京美術紙工協業組合 3月から製本研修プログラム「一日製本職人」を開始 業界向けに実施していた研修を一般向けに再構成、オンラインでも受講可能に
東京美術紙工協業組合は2025年3月より、新たな製本研修プログラム「一日製本職人」を開始する。従来、業界向けに実施していた研修を一般向けに再構成し、入門から上級までの4グレードを設定。オンライン要素も取り入れ、幅広い層に向けて展開する。
これまで工場内で実施していた製本レクチャーや工場見学、手製本の実作体験を、オンライン形式でも受講可能にした。移動を伴わずに学べる機会を増やし、全国から参加できる環境を整えた。
▶詳細はこちら
入門 KURUMIコース
初心者向けのコースで、子どもからシニアまで気軽に製本を体験できる。「製本キットKURUMI」を使い、ハードカバーのミニブックを1冊作成する。キットには、通常含まれない花布やスピン、スピンチャーム®が付属する。同キットは、国内外の児童書イベントや図書館ワークショップで採用されており、海外では特許も取得。従来は講師の派遣が基本だったが、オンラインのライブ配信を導入することで、全国どこからでも参加可能となった。1時間半のプログラムは、前半のレクチャーと後半の実作体験に分かれる。動画を活用した解説により、製本の仕組みをより深く理解できると好評で、満足度は99%に達している。
初級 KurumiPROコース
本の中身から自作できるコース。入門コースよりも詳しい「製本レクチャー」に加え、製本機械の臨場感を味わえるバーチャル工場見学をオンラインで提供する。受講者は、2024年に特許取得した「KurumiPRO」キットを用いて1冊の本を作成。さらに、1セットを持ち帰り、自宅でも製本体験を続けられる。これにより、ページ割付けや印刷工程の疑似体験も可能となる。
中級 TAKUMIコース
製本技術を本格的に学ぶコース。リアル開催では、実際の製本工場を見学。オンラインでは、機械の内部まで記録した映像によるバーチャルツアーを実施する。「製本キットTAKUMI」を使用し、A6判の角背上製本を1冊制作。必要なツールがすべてセットになっており、工場に足を運ばなくてもリモートで学べる環境を整えた。