書協/日印産連 第56回造本装幀コンクール受賞者を表彰 文部科学大臣賞に大竹民子氏の「海の庭」

一般社団法人日本書籍出版協会、一般社団法人日本印刷産業連合会は9月22日、東京都千代田区の出版クラブビルで「第56回造本装幀コンクール」の表彰式を開催した。2022年発行の書籍を対象に募集し、159者315点の応募があり、その中から21作品が入賞(ダブル受賞が1作品)した。文部科学大臣賞に「海の庭」(国書刊行会刊)、経済産業大臣賞に「MARUHIRO BOOK 2010―2020, 2021」(マルヒロ刊)、東京都知事賞に「柴犬二匹でサイクロン」(書肆侃侃房刊)が決定した。

同コンクールは、本文の文字組みから色使い、レイアウト、表紙カバーの美しさ、材料の適性、印刷、製本などあらゆる角度から審査して受賞作品を決定する。造本装幀に携わる出版、印刷、製版、製本および装幀・デザイン業界の人の「より美しく、より良い本」づくりを目指す意欲を喚起するとともに、広く内外に日本の造本装幀技術の高さを知らせ、読書推進を図る場にもなっている。

表彰式の冒頭、日本書籍出版協会理事長の小野寺優氏は「今年の応募作品は近年減少傾向にあった文学文芸や児童書、絵本の点数が増えている。この分野は著者にとっても、読者にとっても作品の魅力や想いがこもった創造の余地の最も大きなジャンルである。今後もこれまで見たことのない造本装幀の可能性を広げ、読者にその喜びを伝えて頂きたいと心より思っている」と挨拶した。

 引き続き、日印産連会長の北島義斉氏は「紙の書籍と電子にはそれぞれの強みがあり、アナログやデジタル、それぞれの強みや可能性を考えていくことで出版の可能性が広がることが出来ると信じている。日印産連としても今後とも、印刷文化の醸成と業界の発展にこれからも尽くしていく」と、出版文化への期待を述べた。

同コンクールの受賞作品は、9月22日から10月30日まで、東京都千代田区の出版クラブビル3Fクラブライブラリーに公開展示される。

【上位受賞作品】(括弧内は出版社、装幀社、印刷会社、製本会社、敬称略)

書協の小野寺優理事長
日印産連の北島義斉会長
各賞受賞者の集合写真

▽文部科学大臣賞「海の庭」(株式会社国書刊行会/泉屋宏樹/創栄図書印刷株式会社、東京営業所/株式会社ブックアート)
▽経済産業大臣賞「MARUHIRO BOOK 2010―2020, 2021」(有限会社マルヒロ/世界株式会社/藤原印刷株式会社、株式会社耕文社/有限会社篠原紙工)
▽東京都知事賞「柴犬二匹でサイクロン」(株式会社書肆侃侃房/牧寿次郎/モリモト印刷株式会社/加藤製本株式会社)

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