書協/日印産連 第55回造本装幀コンクール受賞者を表彰 文部科学大臣賞にさわる絵本『さかな』
(一社)日本書籍出版協会、(一社)日本印刷産業連合会主催の第55回造本装幀コンクールの表彰式が9月5日、東京都千代田区の日比谷図書文化館コンベンションホールで開催された。文部科学大臣賞には、『てんじつきさわるえほん さわってたのしいレリーフブック さかな』(出版:㈱小学館、装幀:村山順子氏、印刷:共同印刷㈱、印刷・製本:田中産業㈱)が選ばれ、日本印刷産業連合会会長賞との同時受賞となった。
同コンクールは、直近一年間に発行された書籍を応募対象として6部門に分類し、本文の文字組みから色使い、レイアウト、表紙カバーの美しさ、材料の適性、印刷、製本などあらゆる角度から審査して受賞作品を決定する。造本装幀に携わる出版、印刷、製版、製本および装幀・デザイン業界の人の「より美しく、より良い本」づくりを目指す意欲を喚起するとともに、広く内外に日本の造本装幀技術の高さを知らせ、読書推進を図る場ともなっている。
表彰式の冒頭、書協の小野寺優理事長は「コンテンツ=本のような風潮があるが、受賞作を手にとってみると改めて、造本装幀があってこその本だと感じることができる。長年読まれる堅牢性、本棚にしまったときの満足感など、限られた予算のなかでとことん創意工夫を凝ってつくられている。今後も素晴らしい造本装幀とともにある美しい読書体験を促進していきたい」と挨拶した。
引き続き、日印産連の北島義斉会長は「今年はさまざまなジャンルの作品が数多く集まった。素晴らしい本の数々を手にすることで、紙の感触や美しい文字の組版などの紙の本の魅力を改めて感じるとともに、デジタルの強みを組み合わせることで、出版の可能性がより広がっていくと感じている」と出版・活字文化のさらなる発展に期待を寄せた。
同コンクールの受賞作品は、10月24日から11月30日まで、東京都千代田区の出版クラブビル3Fクラブライブラリーに公開展示される。開館時間は10時から18時(最終日は16時まで)。11月21日12時から31日は三賞・日印産連賞の9作品はIGASで展示される。
【上位受賞作品】(かっこ内は出版、装幀、印刷、装幀、敬称略)
文部科学大臣賞・日本印刷産業連合会会長賞
『てんじつきさわるえほん さわってたのしいレリーフブック さかな』(小学館、村山順子、共同印刷、田中産業)
経済産業大臣賞
『広告 Vol.415 特集:流通』(博報堂、上西祐理・加瀬透・牧寿次郎、藤原印刷㈱、篠原紙工)
東京都知事賞
『TAPESTRY』(五味岳人氏、一野篤氏、オフセット:修美社・シルクスクリーン:東美企画・箔押し:川口箔押印刷、新日本印刷)