明成孝橋美術 和歌山大学との産学協働で ”聞こえる人と聞こえない人の架け橋になる!” 筆談具を開発、クラウドファンディングで商品化
大阪のパッケージ印刷・制作などを得意としている株式会社明成孝橋美術は、実際に商品化・販売を目指す大学ゼミ対抗のインターカレッジをきっかけに、和歌山大学柳到亨ゼミの学生との共同プロジェクトとして、聴覚障がい者と健常者間のコミュニケーションを円滑にする筆談具「ノートラブル」を制作。聴覚障がい当事者へのモニター調査や企業・自治体・飲食店等での試用を経て、クラウドファンディングを開始した。
筆談具「ノートラブル」は、本体に指差しシート(シール)を貼り、シールに書かれた言葉を指差して意思疎通を図ることができるようになっている。
おもに飲食店など、お客様と従業員間の対面のやり取りが必要な店舗・施設への設置を想定。筆談にかかる時間・手間を削減できるだけでなく、使っていく中で聴覚障がいを持つお客様の困りごとを理解することができる健常者向けの補助用具とも言える。
聴覚障がいは先天的なもの以外にも、病気や事故、 加齢によって生じることがある。現在、高齢者の増加などで世界的に聴覚障がい者人口が増えており、WHO(世界保健機関)は2050年には聴覚障がい者人口が約4億7千万人から9億人にもおよぶ可能性があると発表している。
同社は、商品考案者の和歌山大学生が感じた「耳の聞こえる人と聞こえない人のコミュニケーションの障壁」を打破すべく、 産学協働の「ノートラブル」開発プロジェクトを始動した。
「ノートラブル」は、.①本体、②指差しシート(シール)、③予備シール、④ホワイトボード専用ペン
の4点がセットになっている。卓上カレンダー型の筆談具なので、店舗・施設の窓口やレジカウンター等に設置しておけて、その場で利用できる。接客対応時に筆談が可能であることをわかりやすくするために、本体表紙には聴覚障がい者のためのシンボルマーク「耳マーク」を表示している。
「ノートラブル」商品化にあたっては、聴覚障がい当事者23名へインタビュー調査を行い、さらには聴覚障がい者と健常者間のコミュニケーションの困りごとを調査するために接客業の経験のある方181名にアンケート調査をして制作。 飲食店や銀行・病院など計28か所に試作品も設置した。
全国の学生が参加する商品企画の大会ではプラン優勝を獲得し、123チームの中から選ばれた商品でもある。
また認知拡大に向けたプロモーション活動を学生自ら行っており、飲食店向けのECサイトやオフィス用品を取り扱う文房具店、 福祉関連用品を販売する企業など計5社で販売に向けての交渉が成立したという。
今回、開発資金調達のためのクラウドファンディングを行うことで、さらに多くの店舗・施設での設置や販売を目指している。
〈クラウドファンディング詳細〉
聞こえる人と聞こえない人の架け橋になる! 大学生による筆談具開発プロジェクト
終了日:2022年9月8日/目標金額:600,000円
https://camp-fire.jp/projects/view/609852