旭化成 水現像フレキソ印刷樹脂版「AWP」がドン・キホーテの「ヤバ盛りパスタ」パッケージに採用 佐川印刷との協業による水性フレキソ印刷技術でCO2排出量を約60%削減

旭化成株式会社は、「ドン・キホーテ」の人気商品「ヤバ盛りパスタ」シリーズのパッケージ印刷において同社の水現像フレキソ印刷樹脂版「AWP(TM)」が採用されたことを発表した。
「ヤバ盛りパスタ」シリーズとは、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが展開している「ドン・キホーテ」のプライベートブランド「情熱価格」による冷凍食品のひとつ。

採用された印刷技術は、水性フレキソ印刷と水現像版「AWP」の組み合わせであり、佐川印刷株式会社との協業により、パッケージ印刷における最適な印刷条件が確立された。佐川印刷の試算によれば、従来の油性グラビア印刷に比べ、CO2排出量を約60%削減できる見通しである。

「AWP」が採用された「ヤバ盛りパスタ」シリーズ

水性フレキソ印刷は、従来の印刷方法と比較して環境負荷が低く、VOC(揮発性有機化合物)の排出が少ない点が特徴とされる。加えて、使用するインキ量が少なく済むことから、乾燥工程でのエネルギー消費も抑制できる。一方で、水現像版「AWP」は水ベースの現像液を使用しており、印刷工程における有機溶剤の使用を不要とすることで、さらなるCO2削減効果を実現する。

図:製版工程イメージ

現在、日本国内のパッケージ印刷では油性グラビア印刷が主流であるが、環境意識の高まりを背景に、水性フレキソ印刷技術が注目を集めている。今回の「ヤバ盛りパスタ」シリーズへの採用は、持続可能な印刷技術の導入事例としても意義深い。

旭化成は今後も、水性フレキソ印刷および水現像樹脂版「AWP」の普及を通じて、印刷業界における脱有機溶剤化を推進し、環境負荷の低減と持続可能な社会の実現に貢献していく。

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