日本WPA 沖縄の新規会員・近代美術へ、水なし印刷・UV印刷、オフ輪、高付加価値PODの現場見学
日本WPAは、2月15日、沖縄県の新規加入会員を記念して「日本WPAセミナー&工場見学会in沖縄」を開催し、新たに会員となった株式会社近代美術(沖縄県島尻郡南風原町)の生産本部である糸満工場を見学した。工場では、水なし印刷のKOMORI菊全8色両面機LITHRONE40SPのほか、UV5色印刷機やCTPワークフロー、カラーオンデマンド印刷、オフ輪印刷機や製本ラインまで、一貫生産システムを見学した。
近代美術糸満工場見学会には、日本WPAの田畠久義会長、奥継雄副会長、小川勇造事務局長、日本WPA会員のほか、東レの松本俊光印写システム販売部長、安田和宏課長、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズの前田弘毅九州支店長らも参加した。工場では、近代美術の大城恵美社長はじめ、吉村直浩取締役副社長、嘉数良光常務取締役、玉城康次取締役総務・DTP部、大城進生産本部工場長が一行を出迎えた。
見学会に先立ち「ハイサイ! めんそーれ~おきなわ」と大城恵美社長が歓迎挨拶。「近代美術は約10年前から水なし印刷を始めた。日本WPAの会員となって全国の皆様の会員と交流できることを楽しみにしている。水なし印刷を始めてから両面8色機の見当精度に関する問題が無くなった。本日の工場見学会を通して沖縄の心に触れて交流を深めていただきたい」と挨拶した。
田畠会長も挨拶に立ち、「近代美術さんが日本WPAに入会され、沖縄で初めて研修会を開催できる運びとなった。日本WPAは第9期上期を終え、沖縄の新しい会員が加わったことで全国会員は135社となった。最近の傾向として、LED-UV印刷での水なし印刷の採用事例が増加しており、世界初の完全VOCフリー印刷技術である『水系洗浄剤で洗浄可能な水なしUV印刷』(3WUV印刷)が実用段階に入りつつある。工場見学会後はSCREENグループの会員組織レディバードクラブのセミナー、懇親会に合流し幅広い交流を深めたい」と述べた。
糸満工場は敷地2350坪の近代美術の生産本部。CTPシステムに始まり、オフセット枚葉印刷機、オフセット輪転機、製本・紙加工、PODまでの付加価値創造工場なっている。枚葉印刷機は、KOMORI菊全8色両面機のLITHRONE40SPと菊全判UV5色機LITHRONE40G、オフセット輪転機がB縦半裁判SYSTEM35 Sが2台、製本部門は中綴じラインとトムソン加工機、PODが富士ゼロッックスのColor-1000Press、Color-800Pressを設置している。水なし印刷は10年前から開始し、KOMORI両面8色機で高精細カラー印刷を実現している。
大城工場長は「水なし印刷に取り組む前は両面8色機の見当精度に問題を抱えていた。当時はオフセット印刷で水を使わないということは考えらず、どう断ろうかと考えていたが、文星閣さんを見学後に導入することとなり、その後、全ての課題を解決することができて本当に良かった。今では高精細両面カラー印刷は大きな武器となっている。弊社は水なし印刷とUV印刷、オフセット輪転印刷、そして高付加価値PODという3つの特徴を持っている。水なし印刷は環境対応という企業の社会的責任も果たすことが出来、近代美術に大きなメリットをもたらした。日本WPAとの交流を深め、沖縄の業界発展に貢献したい」と述べた。
見学会の後には、那覇市のメルキュールホテル沖縄那覇で開催のレディバードクラブ(水上光啓理事長)の第18期事業の沖縄研修会にも参加し、両団体の交流を深めた。