日本WPA 「本気でめざそう!脱炭素社会」テーマにオンラインセミナー開催

日本WPAは6月17日、第11期定期総会をオンラインで開催すると共に、「本気でめざそう!脱炭素社会」をテーマにしたオンラインセミナーも開催した。講師には、NHKエンタープライズのエグゼクティブ・プロデューサーである堅達京子氏を招き、環境問題の現状が分かりやすく解説された。

日本WPA‗NHK

「本気で目指そう!脱炭素」をテーマに講演した堅達氏は、現在の地球環境は危機的状況にあり“気候非常事態”の状況にあると指摘。2030年までが正念場であると警鐘を鳴らした。

地球環境の危機的状況はすでに予兆としても表れているともいわれており、それが毎年のようにおこる豪雨と猛暑や、世界で頻発している大規模火災などがそれにあたる。また現在、世界規模で襲っている新柄コロナウイルスの感染拡大も、地球環境のバランスを崩したことからおきた自然からの警告ではないかと語った。

なお現状のままでは温度が4℃上昇するとされているが、1.5℃の上昇に抑えることがパリ協定では目標に掲げられている。しかし、すでに1.25℃上昇している。このままではホットハウスアース(灼熱地球)の事態を招くことから、前例のない規模で変化を起こすパラダイムシフトが必要であり、そのためにも全ての産業システムにおける急速かつ広範囲に及ぶ“移行”が必要であると解説した。

なお、世界ではすでにゼロカーボン競争が始まっており、脱石灰・化石燃料は当たり前に考えられるようになってきている。一方で日本は環境問題に対しても遅れ気味であることも指摘。全ての英知を結集し、総がかりでのイノベーションが必要であると訴えた。

【日本WPA総会:カーボンオフセットが7,000トンに】

日本WPA‗田畠会長

なお、日本WPAは、昨年度はコロナ禍の影響でイベントの大半が中止に追い込まれ、理事会やセミナーはオンラインで行われた。一方で、環境省の「グリーン購入法」の基本方針に則り、多くの自治体で水なし印刷を採用する動きが活発化した年でもあった。カーボンオフセット事業についても、CO2の総オフセット量が7,000トン(2020年11月時点)に達した。

総会で田畠久義会長は状況を解説すると共に、「こうした状況にあっても脱炭素チャレンジカップ2021では大阪のせいわエコクラブを顕彰できた。最近はグリーンリカバリーという言葉が出てきているように環境の話題が盛り上がりをみせており、お陰様で会員数も純増している。持続可能な経済活動に繋げるためにも環境対応が求められている。新年度は脱炭素EXPOへも参加する。今後も時流を反映しながら引き続き活動していきたい」と挨拶した。

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