日本生産性本部 「働くことの意識」調査で新入社員の働く目的は「楽しい生活をしたい」が 最も多い
(公社)日本生産性本部と(一社)日本経済青年協議会は6月27日、平成31年度新入社員1,792人を対象にした「働くことの意識」調査の結果を発表した。
「働く目的」の設問では、過去最高だった一昨年(42.6%)から2年連続で減少しているものの「楽しい生活をしたい」が最も多かった(昨年度41.1%→今年度39.6%)。また、「経済的に豊かな生活を送りたい」も高い水準を維持(30.4%→28.2%)している。
一方、昨年過去最低を更新した「自分の能力をためす」はわずかに増え(10.0%→10.5%)、一時期増えていた「社会に役立つ」は横ばい(9.2%→9.3%)のまま推移した。
「人並み以上に働きたいか」では、「人並みで十分」が昨年度に続き過去最高を更新(61.6%→63.5%)し、過去最低となった「人並み以上に働きたい」(31.3%→29.0%)の倍以上の回答割合だった。その差も過去最高を更新した(30.3ポイント→34.5ポイント)。
プライベートと仕事の優先順位が表れる「デートの約束があった時、残業を命じられたら、あなたはどうしますか」では、「残業」が減り(68.5%→63.7%)、「デート」が増え(30.9%→36.0%)と、「デート派」が3人に1人を超えた。
「若いうちは進んで苦労すべきか」では、「好んで苦労することはない」が過去最高(34.1%→37.3%)となった一方、「苦労すべきだ」は減少を続け43.2%となり、最大54.3ポイントあったその差は過去最小の5.9ポイントにまで急速に縮小した。
「どのポストまで昇進したいか」では、最も多かったのは「専門職<スペシャリスト>」(17.3%)、続いて「どうでもよい」(16.0%)だった。この設問は男女差が大きく、昇進志向は低下しているものの男性で多い回答は順位「重役」(19.4%)、「部長」(18.6%)、「社長」(18.4%)となっている。女性で多い回答は、「専門職<スペシャリスト>」22.7%、次いで「役職にはつきたくない」(14.0%)、「主任班長」(13.5%)。具体的に明示されない「役職にはつきたくない(14.0%)」+「どうでもよい(19.0%)」という回答が約3分の1の 33.0%に達している。
また就労意識と生活価値観についての質問文に対して、「そう思う」から「そう思わない」まで4段階で聞いている。それによると、就労意識は、「社会や人から感謝される仕事がしたい」93.9%、「仕事を通じて人間関係を広げていきたい」92.5%、「ワークライフバランスに積極的に取り組む職場で働きたい」91.8%、生活価値観では、「他人にはどう思われようとも、自分らしく生きたい」84.5%、「自分はいい時代に生まれたと思う」83.6%、「人間関係では、先輩と後輩など上下のけじめをつけることは大切なことだ」83.2%の順となった。総じて、ポジティブないし積極的な態度が上位を占め、ネガティブないし消極的な態度が下位を占めている。
「第一志望の会社に入れた」については、平成24年度60.9%から平成25年度52.0%と大幅に減少したが、平成26年度以降は改善傾向が続き、この数年は横ばい傾向にあり、今年度60.3%だった。