日本アグフア・ゲバルト ファクトリーオートメーションの提案へ。page2019で2019年の指針を表明
日本アグフア・ゲバルトは、page2019会期中の2月6日、サンシャインシティコンファレンスルームで「第34回アグフアユーザー会」を開催し、同社の今年の指針を発表したほか、プリプレスのファクトリーオートメーション「Agfa Advanced Factory Automation」について紹介した。
今回のユーザー会は、これまでの「アポジーユーザー会」から名称を変更し、「アグフアユーザー会」として開催された。冒頭、開会挨拶にたった西川誠一会長は、印刷産業を取り巻く厳しい状況にふれつつ「page展が始まり、新しいネタを見つけようと見学したところ、もはやこの業界も単なる“印刷業”ではないと感じた。自社だけでは勝ち続けるのは難しい時代となっており、そこに展示会の意義が見えてくる」と述べた。
会長あいさつに続き、今年1月、日本アグフア・ゲバルトの社長に就任した岡本勝弘氏から、同社の今年の指針についても解説があった。岡本氏は、
「2019年はファクトリーオートメーションです。プリプレス工程の究極に無人化で、事故・ロスなく運用できるようにしていきたいと思います。印刷産業は諸資材の高騰など取り巻く環境が厳しく変わっているたけでなく、IT/IoTあるいはクラウドワークフローなど非常にスピーディーな技術革新を迎えています。そうした中、アグフアとしてはプリプレス工程を再定義する年になるのではないかと考えております。
今までのことが当たり前ではなく、新しい定義のもと取り組むことが必要であり、その一つがファクトリーオートメーションです。そして部分最適から全体最適へというのがフファクトリーオートメーションのキーワードになります。
これまでも、アズーラや昨年発表したExpert Loaderという1200版のプレートを一度に独りで簡単に装填できるCTPも発表してきました。しかし、お客様の現場では、Expert Loaderの後、処理された版がスタッカーに貯まっていくのですが、現場の方はその中から自分のJob用の版を探し出して、版曲げ作業をするという工程が残っています。Expert Loaderで手間を省いたのだから、その先の工程まで全体最適する必要があるだろうと考えました。そこで、今後は、自社製品以外の、その周辺のシステムまでインテグレーションして、お客様の作業の全体最適を狙った提案をしていきたいと思っています」と解説した。
すでに海外事例では、版にユニークなQRコードを入れ、それを元に、自動でコンベアで版が運ばれ、版曲げ作業まで行い、印刷機のスタッカーに自動振り分けしていくという仕組みが導入されていることを紹介。
「インターネットで全てが繋がった環境で、システムが連携していきます。こうした仕組みづくりを早期にご提案できるようにしていきたいと思います。
今後、1人当たりの生産性向上がキーワードの一つになってくると思います。コスト削減という意味でも、1人の製造量が増え、1ジョブ当りの原価のコストを下げる必要があります。一方、人を介す仕事が減少することから、それによる事故・ロスの防止も狙ったファクトリーオートメーションに力を入れていきたいと考えています。
ワークフローにおいても、MISを導入したい、アポジーと連携したいという要望が増えてきています。自社製品だけの提供から、全体最適を考え、MISを含め他社製品との連携も行い、全体の効率化を実現するワークフローの分野の提案も行いたい思っています」と指針を語った。
引き続き、「印刷現場も効率化する最新ソフトウエアソリューション」と題して、日本アグフア・ゲバルトの宮地諒平氏がpage2019で提案したプリプレス工程から始めるファクトリーオートメーションについて提案した。
休憩をはさんで「Sublimaがもたらした新規顧客獲得の効果とその手法」をテーマに、スブリマコンテストで金賞を受賞した㈱教文堂の水上勝一氏と、アグフアの宮地氏による対談が行われた。対談では、医学書関連の書籍類を多く扱っている同社において、Sublimaによる高精細印刷へ取り組むことで顧客からの評価が高まったことなどの取り組みが出力見本を見せながら解説された。