日印産連 首相官邸で開かれた「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化会議」に藤森会長が出席
政府は2021年12月27日、地域経済の雇用を支える中小企業が原材料費や労務費の上昇分を適切に価格転嫁し、適正な利益が得られるようにするため、「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化 施策パッケージ」を策定した。同パッケージの策定に先立ち、同日、業界22団体や経団連などの代表者が首相官邸に集まり、各業界における価格転嫁の円滑性について会議が開催され、印刷業界を代表して(一社)日本印刷産業連合会の藤森康彰会長が出席した。
藤森会長は、印刷業界の価格転嫁の取り組みとして「下請適正取引等の推進のためのガイドライン」や「自主行動計画」の策定などを説明した。また、現状の受注側の問題として、諸資材やエネルギーコストの価格上昇の影響を強く受けており、顧客への価格転嫁に苦慮していること、さらに官公需の入札に際しては、諸資材価格の上昇を反映させた適正な予定価格の設定と、自治体における最低制限価格制度のさらなる導入を要請した。
各業界の現状を踏まえ、岸田文雄首相が「中小企業が適切に価格転嫁し、適正な利益を得られるよう環境整備を行っていく」と述べ、政府は同日「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化 施策パッケージ」をまとめた。その後の閣議において、中小企業が労務費・原材料費・エネルギーコストの上昇分を適切に転嫁するため、各事業所管大臣から各団体に対して会員企業に周知されるよう、閣議了解を行った。毎年1月~3月を新たに価格転嫁対策の集中実施期間に設定し、政府を挙げて対策の実行を徹底するとしている。