日印産連 じゃぱにうむ2021開催 地方創生の好事例を共有

挨拶する瀬田章弘委員長
挨拶する瀬田章弘委員長

日本印刷産業連合会(藤森康彰会長)は2月15日、Web会議ツールZoomで「じゃぱにうむ2021~印刷産業の地方創生事業事例発表会~」を開催し、基調講演や各社の事例を通して印刷業における様々な地方創生の取り組みを紹介した。

冒頭、価値創出委員会の瀬田章弘委員長は「日印産連では、SDGsの実現に向けた取り組みをコミットしている。地方創生、経済と環境の好循環農創出は、印刷業にとって大変重要な課題となっている。特に地方創生は、印刷会社がそれぞれの地域で活躍できる場だと考えている。印刷会社は全国のほとんどの地域に存在し、あらゆる産業に接点を持っている。印刷会社が地域のハブとなり原動力となることで、地域の未来、印刷産業の明日につながる。基調講演と地域の最新事例をご覧頂き、自社の強みを活かし、それぞれの地域の課題解決に取り組んで頂きたい」と挨拶した。

アインズ
アインズ谷常務取締役

事例発表では、アインズ㈱(滋賀県蒲生郡)、㈱ニシキプリント(広島県広島市)、㈱プロゴワス(鹿児島県鹿児島市)、㈱大風印刷(山形県山形市)、㈱平野屋物産(福岡県大野城市)、㈱ツジマキ(神奈川県横浜市)の6社が地域活性事業を紹介した。

アインズは、まちづくり、コミュニティ開発など地域活性化に関わる事業を立ち上げようと取り組む起案者・団体に対してクラウドファンディングの仕組みを提供。彦根市をはじめとする自治体とも連携しながら、クラウドファンディングのコンサル、プロモーション・ 販売促進ツール、ECサイト構築の支援もじっししている。

ニシキプリントの宮﨑社長
ニシキプリントの宮﨑社長

ニシキプリントは、自社の強みを「障がい者雇用」とし、就労継続支援A型事業所サポートセンターを2ヵ所に設立し、積極的に障がい者を雇用。広島のいいモノ・いいコトを紹介するサイト「安芸ん堂」を立ち上げ、サイト自体のプロモーションの他、自社開発のオリジナル商品を継続的に投入し販売の活性化を図る。

プロゴワスは、鹿児島県の食品を県内外に向けて紹介し、販売ルート開拓・販路拡大を目指すとともに、商品開発に向けたニーズ収集及び県内外のバイヤーとの情報交換の場を提供する「かごしまの逸品商談会」を企画から運営まで一括受託。印刷を核としないBPOサービスのモデルケースを展開している。

大風印刷の大風社長
大風印刷の大風社長

大風印刷は、山形の良さに興味を持つきっかけづくりとしてフリーペーパー「gatta!」を刊行し

ている。「gatta!」で紹介した企業と店舗をマッチングした新商品の開発・販売のほか、オンデマンド印刷機で製作したオリジナルラベルを貼った地酒を販売し、地域活性の一助となっている。

平野屋物産は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、パッケージメーカーとしてグラビア印刷技術、ラミネート・製袋技術を活用したオリジナルのマスクケースを開発。工場所在地のうきは市のキャラクター「うきぴー」とのコラボ製品として特産品フルーツなどを販売している。

ツジマキは、神奈川県で地域への貢献度が特に優れている企業に与えられる認定制度「神奈川がんばる企業エース」に選出されている。また、横浜市民の積極的な雇用や市内企業との取引を重視している企業を認定する「横浜型地域貢献企業最上位」に選出されるなど、地域を意識した事業経営が評価されている。

基調講演は、「地方創生に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進について」をテーマに、山田仁広島県副知事が発表。

山田副知事は、「じゃぱにうむの事例からもわかるように、印刷産業は日本を支える取り組みを全国で展開している。広島県が推進する様々な分野の取り組みに対しても様々な提案をして頂き、一緒に考え、取り組んでいけたらと思う。デジタル化の社会の中で、印刷産業が付加価値をさらに高めることで、日本の製造業全体を明るくすることにつながる」と印刷業界のDXに期待を寄せた。

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