日印産連 「2023年9月印刷の月 印刷文化典」開催、390人が出席し、4年ぶりの制限のない記念式典
一般社団法人日本印刷産業連合会(日印産連)は9月13日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで「2023年9月印刷の月 印刷文化典」を開催した。式典では、講演会、日印産連表彰および環境優良工場の表彰式、懇親会に390人が出席し、4年振りに制限のない式典が執り行われた。
日印産連の北島義斉会長は冒頭の挨拶で、「これからの印刷産業が未来を切り拓いていくには、社会の変化に敏感に対応してDXや人工知能の進展を追い風にしていくことが必要。また、環境に優しいサービスの開発など、持続可能性を高める取り組みも必要となり、私たち印刷産業が果たすべき役割は大きくなっている。そんな中で、日印産連は現在、SDGsの目標達成年である2030年の印刷産業のあるべき姿を見据え、未来を切り開く新しい印刷産業の実現に向けて議論を深めている。これまでの『印刷』を再定義し、さらなる事業領域の拡大や付加価値の創出を進め、持続可能な環境、社会、経済の実現に取り組んでいく。引き続き会員10団体の皆様と連携を強め、業界の発展に努めるため、各団体にはさらなる活動の推進をお願いしたい」と今後の抱負を述べた。
本年は4年に一度の「印刷文化典」が開催され、2023年度日印産連表彰印刷功労賞、印刷振興賞、特別賞に加え、最高賞である「印刷文化賞」の表彰も開催。金子眞吾氏(凸版印刷株式会社会長)、藤森康彰氏(共同印刷株式会社社長)、水野雅生氏(ミズノ・プリンティング・ミュージアム 館長)の3氏に印刷文化賞が贈呈された。
表彰式の最後に、金子眞吾氏が受賞者を代表して「受賞者は様々な分野で業界の発展に尽くしてきたが、このような形で表彰されるのは身に余る光栄。こころから感謝申し上げる」と謝辞を述べた。その後、「近年はコミュニケーションのあり方が激変し、印刷産業は縮小傾向と言われるが、我々の最大の強みは顧客の情報プロセスを最適化し課題解決すること。社会のDX化は印刷産業にとって大きなチャンスであり、この改革を進める必要がある。これまで培ってきた情報デザイン力と課題解決力でデジタル社会に対応した新たな印刷産業へと進化することを願う」とこれからの印刷業界の見通しを語った。