Home 業界

日印産連 「第61回2022JPC」 入賞作品37点を決定 「経済産業大臣賞」に花王とコーセー

一般社団法人日本印刷産業連合会(藤森康彰会長)は2月2日、東京都中央区の日本印刷会館で「第61回2022年ジャパンパッケージングコンペティション」の審査会を開催し、133点の応募作品の中から「経済産業大臣賞」2点をはじめ入賞作品37点を決定した。「経済産業大臣賞」には、花王の「量り売り堂」と、コーセーの「雪肌精クリアウェルネス UVディフェンスシリーズ」が選出された。

「量り売り堂」は保護、機能、構造、デザイン性などが審査基準となる同賞「1部門」の作品。洗剤や柔軟剤を量り売りで販売する花王による試みで使われた、使い回しのボトル。対象とされた各商品のロゴやサインはごく小さいながら、しっかりと用をなし、長く家庭に置かれてもシンプルで美しい。SDGs達成への意識が高まる今、容器を捨てないという選択肢を消費者にもたらした。「アンチパッケージ」ともいえる、暮らしに対する大胆で新しい提案。

「雪肌精クリアウェルネス UVディフェンスシリーズ」は、安全性、リサイクル性、環境対応等に特に優れているものを対象とした「2部門」の作品。ドラッグストアで販売を競う日焼け止め商品は、店頭において競合より華やかに見せるデザインでしのぎを削る市場。同作品は「環境第一」に大きく方向性を変えた。外装は、樹脂製の袋や箱が一般的な同市場で初の紙100%で、吊り下げとスタンディングを両立した袋を開発。容器は 水滴形状を元にした造形でバイオマス素材を採用。プリントレス・ラベルレスとし、製造工程を減らした。生産から使い終わるまで持続可能な工夫を備え、同賞の趣旨に最も適合する。

今回、61回目を迎えるJPCは、実際に商品化され販売されたパッケージの優秀性を競うコンペティション。近年、パッケージデザインには使いやすさなど従来の機能に加え、安心・安全、環境への配慮など多様な要求があり、社会的責任も増大している。パッケージデザインはこうした状況を乗り越え、人々の豊かな暮らしを実現する新しい開発・提案が求められている。日印産連は今後も、JPCを通じて市販パッケージを総合的・多角的に評価し顕彰することでパッケージ開発に寄与し、社会に貢献していきたいと考えている。

関連記事

最新記事